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ロケーション管理とは?|社内SEが考えた“品物が見つからない”をなくす設計

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はじめに

「あの商品、どこに置いたっけ?」──そんな声が物流や倉庫の現場で聞こえるたびに、ロケーション管理の重要性を痛感します。品物の場所がわからない、探すのに時間がかかる。これは単に記憶の問題ではなく、“設計の問題”です。

この記事では、社内SEとして実際に現場改善に取り組んできた視点から、ロケーション管理の基本、導入手法、運用設計の工夫を具体例を交えてご紹介します。「置いた場所がわかる」から、「すぐに取り出せる」へ。そんな改善のヒントになれば幸いです。

たまのSE
たまのSE

探す時間って、積み重なるとすごく大きなムダになるんですよね😅

ロケーション管理とは?

ロケーション管理とは、倉庫内の保管棚やエリアに一意の「場所コード(ロケーションコード)」を割り当てて、品物の所在を明確にする仕組みです。棚番号、段数、列、エリア名などを組み合わせて「A-03-2」などと表記されることが多く、在庫の“見える化”に直結します。

この管理が徹底されていないと、棚が空いていても使えなかったり、同じ商品が複数の場所にバラバラに保管されたりして、在庫管理ミスやピッキング遅延の原因になります。

フリーロケーションとは?メリットと落とし穴

フリーロケーションとは、特定の商品を固定棚に縛らず、空いている場所に柔軟に保管する方式です。物流センターなどでは、棚スペースを最大限活かすためにこの方式が採用されることが多く、省スペース・回転率向上といったメリットがあります。

  • メリット:保管効率が良い、棚の無駄が減る、ピッキング順が柔軟になる
  • デメリット:場所を覚えにくい、記録・システム管理が必須、誤配置のリスクが高い

そのため、フリーロケーションを導入する際は、バーコードによる棚管理やリアルタイムの在庫更新システムとセットで運用することが前提になります。

ゴールデンゾーンを活用せよ

人が立ったまま手を伸ばして届く範囲、いわゆるゴールデンゾーンは、最も効率よく商品を取り出せる場所です。特に出荷頻度が高い商品は、上下の棚ではなく中段に集約することで、作業負担が劇的に下がります。

また、重量物は中段かつ通路側に配置することで、持ち上げや移動時の事故防止にもつながります。ロケーションを割り振る際は、単に「空いている棚」ではなく、「作業のしやすさ」を意識した設計が必要です。

ピッキングミスを減らすロケーション設計のコツ

ピッキングミスの原因には、似た商品が近くに置かれている、棚のラベルが見にくい、ロケーションコードが曖昧である、といった要因があります。そこで私が現場で実施した工夫は次の通りです:

  • 数字とアルファベットを組み合わせ、パターンを明確にする(例:A列=小物、B列=中物)
  • 似た商品をあえて離れたロケーションに配置する
  • ロケーションコードのフォントを大きく、色分けして視認性を高める
  • スマホやハンディ端末でスキャンすることで、視覚とシステム両方で確認する

また、WMS(倉庫管理システム)を活用し、ロケーション移動や在庫補充時にも履歴が残るようにしたことで、「いつ、誰が、どこに動かしたか」が一目でわかるようになり、トラブル時の対応が迅速になりました。

“仮置き”のまま忘れられる在庫をどうするか?

現場でよくあるのが、入荷後にパレットごと仮置きされた商品が、正式な棚番に登録されないまま放置されてしまうケースです。システム上は「未入荷」あるいは「欠品」とされているにも関わらず、実物は倉庫の隅に存在している──こうした事態は、出荷遅延や二重発注の原因になります。

逆に、棚には入らず“余剰として一時保管された商品”のロケーションが曖昧で、探し出せなくなる例も見受けられます。これは物理的なスペースの問題だけでなく、仮置き時のルールが存在していない、もしくは運用されていないことが原因です。

私が導入した対策としては、以下のような“仮置き専用ロケーション”のシステム登録と、その運用ルール化です:

  • 「仮置A」「仮置B」などのエリアコードを事前定義し、ハンディターミナルやスマホで選択可能に
  • 仮置き中の商品には自動的に“仮状態”フラグを立て、帳票上やピッキングリストに表示されないよう制御
  • 日次で仮置き棚を全件棚入れ処理する“棚入れ残チェックリスト”を出力し、未処理を可視化

仮置きは悪ではありませんが、「仮のまま忘れる」ことが問題なのです。物理的なスペースとシステム上の在庫情報にズレが生じれば、それはやがて現場トラブルとして表面化します。

社内SEとしては、「棚に入っていないもの=未入荷」という単純な判定ではなく、“仮置き”という一時的な状態を明確に管理できる仕組みを構築することが欠かせません。

まとめ:ロケーションは「見える」「覚えない」設計がカギ

ロケーション管理とは、場所を管理するだけでなく、作業そのものを“迷わせない”ための設計です。固定棚かフリーロケーションか、商品特性に応じて使い分けながら、作業導線・視認性・記録の整合性をバランスよく組み立てることが求められます。

「見つからない」「違う場所にあった」「同じ商品が2か所にある」──こうした声を減らすには、「覚える」ではなく「見てすぐ分かる」「探さなくて済む」設計を心がけることが重要です。

社内SEとしては、在庫数だけでなく“場所の質”にまで目を向けることが、業務全体の効率とミス削減に大きなインパクトを与えると実感しています。場所の仕組み化こそが、現場の混乱を防ぐ最初の一歩になるのです。

たまのSE
たまのSE

“どこにあるか分かる”って、現場にとってすごく安心なんですよ😊

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