はじめに
「運送会社って、トラックが走ってるだけでしょ?社内SEの仕事あるの?」
運送会社と聞くと、そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、配車管理、運行管理、労務管理など多くのシステムが動いています。2024年問題(ドライバーの労働時間規制)もあり、IT活用の重要性が増している業界です。
私にとってこの業界は、最もやりがいを感じた業界の一つです。Androidでの配送管理システム開発など、自分でゼロから作る機会が多く、エンドユーザーと同じ目線に立てる現場でした。
運行管理者の資格を取得した理由
私はこの業界で働く中で、運行管理者の資格を取得しました。社内SEなのになぜ?と思われるかもしれませんが、理由は明確です。
運送会社のシステムを作るには、現場の業務を深く理解する必要があります。配車の仕組み、ドライバーの拘束時間管理、点呼の流れ…これらを知らずにシステムを作っても、現場では使われません。
運行管理者の資格勉強を通じて、改善基準告示(ドライバーの労働時間規制)や道路運送法の知識が身につきました。この知識があるからこそ、法令に準拠したシステム設計ができるようになりました。

資格を取ってからは、ドライバーさんや配車係との会話がスムーズになりました。「この人は現場のことを分かっている」と信頼してもらえるようになったのが大きかったです💪
この業界で使う主なシステム
運送会社では、配車から運行管理、請求までをカバーするシステムが必要です。基本的にはTMS(Transport Management System)パッケージを使いますが、サブシステムは内製することも多いです。
- TMS(輸配送管理システム):配車計画、配送進捗管理、運賃計算などを担う基幹システム。パッケージを導入するのが一般的
- 運行管理システム:運転日報の作成、拘束時間管理など。改善基準告示への対応が必須
- 配送管理システム(内製):私がいた会社ではAccessでサブシステムを内製。荷主ごとの要件に合わせてカスタマイズ
Androidでの配送管理システム開発:
私が最もやりがいを感じたのが、Androidでの配送管理システム開発です。Javaで1年かけて開発しました。ジオフェンス機能で配送先に近づくと(半径約50m)自動で検品画面が表示される仕組みです。導入前は紙伝票での検品でしたが、導入後は検品ミスが90%削減されました。

GPS精度の問題、バッテリー消費、オフライン時の対応、ドライバーへの操作説明…苦労は多かったですが、その分やりがいも大きかったです😊
社内SEの主な仕事内容
運送会社の社内SEは、現場(ドライバー・配車係)との距離が近いのが特徴です。
- TMSパッケージの運用保守・設定変更
- 配車システム・運行管理システムのサブシステム開発(Access等)
- ドライバー向けスマホアプリの開発・管理
- 荷主とのEDI連携
- 営業所のPC・ネットワーク管理
- 運転日報・労働時間の集計システム管理
ドライバーとの関わり
運送会社の社内SEは、ドライバーと直接話す機会が多いです。システムの使い方を説明したり、現場の要望を聞いてシステムに反映したり。エンドユーザーとの距離が近いのは、この業界の大きな特徴です。

このアプリ、ボタンが小さくて押しにくいんだけど…運転中に使うんだから、もっと大きくしてよ!

なるほど、確かにそうですね!次のアップデートで改善します!(こういう生の声がもらえるのがこの業界の良いところ👍)
この業界ならではの課題・大変なこと
システム面の課題
- 2024年問題対応:ドライバーの労働時間管理が厳格化。システムでの正確な管理が必須になった
- 配車業務の属人化:ベテラン配車係の頭の中をシステム化するのが難しい。「この荷物とこの荷物は一緒に積める」といった暗黙知が多い
- 営業所が点在:全国に営業所がある場合、リモート対応が多くなる
現場文化の課題
- 紙文化が根強い:紙での業務を行っているところもまだまだ多い。「できればPCを使いたくない」と言われたこともある
- ドライバーのITリテラシー:スマホ操作が苦手な人もいる。丁寧な説明と簡単な操作性が求められる
- 人手不足:業界的に人手不足なので、ITによる省人化は必至
個人的に感じた大変さ
私が大変だと感じたのは、運行管理者の仕事の理解です。ルートの選定、ドライバーとの信頼関係構築など、システムだけでは解決できない部分が多い。だからこそ、運行管理者の資格を取って現場目線を身につけました。

中小企業やアットホームな家族経営の会社も多いのが運送業界の魅力です。なにより、エンドユーザーと同じ目線に立つことが一番重要だと感じました😊
気を付けるべきポイント
- 改善基準告示を理解する:ドライバーの労働時間規制の内容を把握しておく。システムでの管理が法令対応に直結する
- ドライバーには「なぜ」を丁寧に説明する:「このシステムを使う理由」を納得してもらわないと、現場で使われない
- 操作は極限までシンプルに:運転中や荷下ろし中に使うことを考慮し、最小限のタップで操作できる設計を心がける
- オフライン対応を忘れない:電波の届かない場所での動作も考慮する
重要なポイント:運送業界のIT化は人手不足解消のカギです。「属人化した業務をシステム化する」ことにやりがいを感じる人には、最高の環境だと思います。
この業界の社内SEに向いている人
- 現場(営業所・ドライバー)との距離が近い働き方が好きな人
- 法規制(労基法・改善基準告示)を学ぶ意欲がある人
- ハードウェア(車載機器・スマホ)のトラブル対応も苦にならない人
- 「属人化した業務をシステム化する」ことにやりがいを感じる人
- アットホームな環境で働きたい人

自分で作ったシステムがドライバーさんに使われて、「便利になった!」と言ってもらえる瞬間が最高に嬉しいです😆
まとめ
運送会社の社内SEは、物流DXの最前線にいます。人手不足・働き方改革の波を受けて、IT活用の期待が高まっている業界です。ドライバーと直接話す機会も多く、現場に近い仕事がしたい人には向いています。
私にとってこの業界は、最もやりがいを感じた業界でした。Androidでの配送管理システム開発、Accessでのサブシステム構築など、自分でゼロから作る経験ができました。検品ミス90%削減という成果が出たときは、本当に嬉しかったです。
中小企業やアットホームな会社も多く、エンドユーザーと同じ目線で仕事ができる。それがこの業界の一番の魅力だと思います。

次回は【4】倉庫業編をお届けします!WMSの内製やハンディターミナル開発など、物流の「保管」を支える仕事についてお話しします💪
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運送会社の社内SEは、エンドユーザーとの距離が近く、自分の作ったシステムが現場で使われる実感を得やすい環境です。物流DXの需要も高まっており、IT人材を求める会社は増えています。
現場に近い仕事がしたい、自分でシステムを作りたいという方には、運送業界への転職をおすすめします。


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