はじめに
「またシステムエラー？社内SEの○○さん、なんとかして──」
そんな言葉を投げかけられ、身に覚えのないシステムトラブルの責任を負わされる。社内SEなら一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
特にHSP（Highly Sensitive Person）の特性を持つ社内SEにとって、理不尽な責任追及は心身に大きな負担となります。今回は実体験をもとに、冤罪エラーを責められた時の「厳然とした対処法」をご紹介します。
すべてのシステムエラーは社内SEの責任なのか？
結論から言うと、答えは「No」です。
しかし現実は、システムに関わるトラブルが発生すると「とりあえず社内SEに相談」「原因がわからないから社内SEのせい」という風潮が根強く残っています。
特に、度重なる要件追加や無断での外部システム導入など、自分が関知していない変更によるエラーまで責任を負わされるケースが後を絶ちません。
HSPな社内SEが直面する特有の課題
HSPの特性を持つ社内SEは、以下のような場面で特に辛い思いをします。
- 責められる雰囲気を敏感に察知し、必要以上に萎縮してしまう
- 「みんなが困っているから」と自分の責任ではない問題も背負い込んでしまう
- 反論することで関係が悪化することを恐れ、言い返せない
- 一度責められると、その記憶が強く残り次回も同じ対応をしてしまう
責められる空気を感じると、つい「すみません」と言ってしまうんです。でもそれが「認めた」と受け取られて、さらに責任を押し付けられる悪循環に…😰
冤罪エラーに対する「魔法の言葉」3選
理不尽な責任追及に対して、感情的にならず冷静に対処するための「決まり文句」をご紹介します。これらの言葉を覚えておくだけで、心理的負担が大幅に軽減されます。
1. 「関知していない」をはっきり伝える
使える表現：
「その件、私の方で把握できていませんでした」
「申し訳ありません、その部分は連携いただいていませんでした」
「そちらの情報が私の方に届いていなかったようです」
2. 「影響範囲の確認」で時間を稼ぐ
使える表現：
「他のシステムへの影響を確認させてください」
「既存機能への影響範囲を調べてからお返事します」
「連携部分でどんな影響が出るか、一度確認が必要です」
3. 「作業工数の確認」で慎重さをアピール
使える表現：
「どの程度の作業量になるか、見積もりをお出しします」
「工数を算出してスケジュールを調整する必要があります」
「現在の作業との兼ね合いを確認させてください」
実際のシーン別対応例
よくある理不尽な責任追及のパターンと、具体的な対応例をご紹介します。
また新規事業のシステムでエラーが出てるじゃないか！お前の責任だろう！
原因を整理させてください。私が設計・実装した部分と、後から追加された要素による部分を分けて確認し、明日朝一でご報告します。
外部システムを導入したら連携エラーが出たんだけど、なんで事前にチェックしてくれなかったの？
外部システムの導入について、私の方で把握できていませんでした。事前にお声がけいただけていれば、連携部分の確認ができたのですが…今後はお声がけください。
「すぐに動かない」マインドセットの重要性
HSPな社内SEが陥りがちなのが「すぐに対応しなければ」という焦りです。しかし、慌てて対応することで以下のような問題が発生します。
- 本来の責任範囲を超えた作業を引き受けてしまう
- 十分な調査をせずに間違った対応をしてしまう
- 一度引き受けると「次回も同じ人が対応する」という前例ができる
- 自分の本来業務が圧迫される
重要なポイント：「慎重さは怠慢ではありません。」適切な調査と検討は、システムを扱うプロフェッショナルとして当然の責務です。
今後の予防策
冤罪エラーの責任追及を避けるための予防策もご紹介します。
文書化の徹底
要件変更や外部システム導入については、必ず文書で確認を取る習慣をつけましょう。「口約束」は後でトラブルの元になります。
承認プロセスの確立
「システムに関わる全ての変更は私の技術審査を経る」というルールを確立し、勝手な変更を防ぎましょう。
定期的な情報共有
プロジェクトの進捗状況やリスクを定期的に報告し、問題が表面化する前に関係者と情報を共有しましょう。
まとめ
社内SEは「何でも屋」ではありません。システムの専門家として、適切な範囲での責任を負うべきです。
特にHSPの特性を持つ方は、感情的になりがちな場面でも冷静な対応を心がけることが大切です。今回ご紹介した「魔法の言葉」を使うことで、理不尽な責任追及から自分を守ることができます。
重要なのは、「関知していないことをはっきり伝える」「影響範囲と工数の確認で時間を稼ぐ」「慌てずに慎重に対応する」この3つのポイントです。
これらの対応方法を身につけることで、理不尽な責任追及に屈することなく、プロフェッショナルとしての尊厳を保ちながら業務に取り組むことができるようになります。
社内SEの皆さん、理不尽な責任追及に負けないでください！「関知していません」「影響を確認します」「工数を算出します」この3つの言葉で、きっと楽になるはずです💪
よくある質問
Q: 「関知していない」と言うと関係が悪化しませんか？
A: 事実を伝えることと相手を責めることは別です。「私の方で把握できていませんでした」という表現を使えば、相手を責めることなく事実を伝えられます。
Q: 時間稼ぎをしていると思われませんか？
A: 「影響範囲の確認」や「工数の算出」は、システムを扱う専門家として当然必要な作業です。これを「時間稼ぎ」と捉える方がおかしいのです。プロとしての責任ある対応と堂々と説明しましょう。
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