社内SEは残業すべき？効率と期待の狭間で悩む人に伝えたい考え方

はじめに

「定時で帰ると評価されない」「自分がやらないと業務が止まる」――社内SEとして働く中で、残業についての悩みは多くの人が抱える問題です。特に改善提案やシステム運用など、見えにくい貢献が多い社内SEにとって、成果の可視化と時間の使い方は密接に関係しています。この記事では、社内SEの残業に対する現実と理想のバランス、そして“時間”に対する考え方のヒントを共有します。

社内SEの「残業しがち」な構造

社内SEは、業務部門からの依頼、トラブル対応、改善提案、資料作成など、多岐にわたる業務を担当しています。その中でも、以下のような構造的な理由から残業が発生しやすくなっています。

• 突発的な障害対応は、就業時間外にも起こる
• 定時中はユーザー対応に追われ、自分の仕事は定時後になる
• 改善活動や仕組みづくりなどの“将来のための仕事”が評価されにくい
• “一人情シス”体制で、業務を分担できない

残業することのメリットとデメリット

残業は一時的には“貢献しているように見える”効果があります。しかし、それが習慣になると、下記のような問題を引き起こします。

“効率”と“期待”の狭間で

社内SEは、効率よく仕事を片づけることで評価されるべき職種です。しかし現場では、「あの人は定時で帰る＝手を抜いている」といった誤解を受けることも少なくありません。この“評価と効率のねじれ”が、残業を生み出す構造的な原因になっているのです。

そのため、ただ「残業しない」という姿勢だけではなく、「なぜしないのか」「何を優先すべきなのか」を論理的に説明できることが求められます。たとえば、タスク管理の見える化、プロジェクト進捗の定量化などによって、“定時で帰る”ことの正当性を伝える工夫が必要になります。

残業せずに信頼を得るには？

・成果を「見える形」にして報告する
・改善提案は実行プロセスごと共有する
・工数削減による効果は定量的に示す
・周囲に影響を与えるような小さな“成功体験”を増やす

“結果ではなく努力”が評価されやすい組織文化では、定時で帰るだけでは誤解を受けることもあります。しかし、“結果を伝える努力”を怠らなければ、徐々に信頼は積み重なっていきます。

まとめ

社内SEにとって「残業すべきか？」という問いは、単なる労働時間の話ではなく、自分の働き方をどう定義し、どう組織と関わるかという“姿勢”に関わる問題です。残業すれば一時的な信頼や評価は得られるかもしれませんが、それが当たり前になると、自分の時間や健全な判断力、そしてキャリアの成長すら損なわれてしまう危険性があります。

定時で帰ることがすなわち“無責任”だと捉えられる職場では、まずはその前提を疑うことから始めてもいいかもしれません。働く時間を短くすることが目的ではなく、「限られた時間で成果を出すこと」「働き方そのものを改善すること」が真に求められている姿だからです。

もしあなたが今、残業をしなければ回らないほどの業務を抱えているとしたら、それは“あなたが優秀だから”かもしれません。でも、その優秀さを維持するために無理を続けてしまえば、組織はその異常に気づくことなく依存してしまいます。本当に改善すべきは、あなたの働きぶりではなく、業務そのものかもしれません。

社内SEは、システムだけでなく“時間”の使い方にも工夫ができる職種です。だからこそ、自分自身の時間を最適化することは、自身の成長にも、組織への提案にもつながります。残業しないことは、逃げではなく“意思ある選択”である――そのことを忘れず、明日からの働き方に少し勇気を持って踏み出してみてください。

たまのSE

残業しないって、怖いことでもあるけど「ちゃんと考えて働いてる」って姿勢を伝えられれば大丈夫。定時で帰っても頼られるSEって、かっこいいですよ😊