RTX 50シリーズでIllustratorが落ちる?原因はGPUドライバーだった
「ハイスペックPCなのにIllustratorが頻繁に強制終了する」
クライアントからこんな相談を受けました。調査の結果、RTX 50シリーズ特有のGPUドライバー互換性問題が原因でした。
RTX 50シリーズ(Blackwellアーキテクチャ)は2025年発売の最新GPUですが、Adobe Illustratorとの互換性がまだ確立されていません。本記事では原因の詳細と、現時点で有効な対処法を解説します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題 | Illustratorが頻繁に強制終了する |
| 対象GPU | RTX 50シリーズ(5050/5050 Ti/5060/5070/5080/5090) |
| 原因 | Blackwellアーキテクチャとの互換性未確立 |
| 対処法 | Game Ready Driver → Studio Driverへ変更 |

最新GPU=最適とは限りません。クリエイティブ用途では「枯れた技術」の方が安定することもあります🔧
問題が発生した環境
今回問題が発生したPCのスペックは以下の通りです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| PC | G-GEAR |
| CPU | Intel Core i7-14700(2.10 GHz) |
| RAM | 32GB |
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 5050 Ti |
| GPUドライバー | 576.88(Game Ready Driver) |
| OS | Windows 11 Home 25H2 |
| Illustrator | 28.7.6(64-bit) |
スペック的には十分すぎるほどの構成です。にもかかわらず、Illustratorが頻繁に強制終了するという症状でした。
原因:RTX 50シリーズとAdobe製品の互換性問題
調査の結果、以下の事実が判明しました。
Adobe公式の対応状況
RTX 50シリーズ(Blackwellアーキテクチャ)は、Adobe Illustratorの動作確認済みGPUリストにまだ掲載されていません。
Adobe Communityでは、RTX 5070でもIllustratorがGPUを正しく認識しない問題が報告されています。GPU Detailsで「Vendor: Microsoft Corporation」と表示され、本来の「NVIDIA Corporation」として認識されず、GPU Performance機能が使用できない状態になるケースがあります。
NVIDIAドライバーの問題
RTX 50シリーズ向けの572.XX〜591.XXドライバーでは、複数の不具合が報告されています。
| 報告されている問題 | 影響 |
|---|---|
| GPUが正しく認識されない | GPU Performanceが無効化 |
| クリエイティブアプリでのクラッシュ | Illustrator、Premiere Pro等で発生 |
| 色の表示異常 | 非ネイティブ解像度で色褪せ |
| VRAM管理の問題 | 複雑なレンダリング時にクラッシュ |

ハードウェアの問題ではなく、ソフトウェア(ドライバー・アプリ)側の互換性が追いついていない状況です😓
対処法:Studio Driverへの変更
NVIDIAのドライバーには2種類あります。
| 種類 | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| Game Ready Driver | ゲーム向け | 新作ゲーム対応優先、更新頻度高い |
| Studio Driver | クリエイティブ向け | Adobe等との安定性重視、検証済み |
今回の環境ではGame Ready Driver(576.88)がインストールされていました。これをStudio Driverに変更することで、安定性の向上が期待できます。
Studio Driverのダウンロード手順
① NVIDIA公式サイトにアクセス

② 以下を選択
| 項目 | 選択内容 |
|---|---|
| Product Type | GeForce |
| Product Series | GeForce RTX 50 Series |
| Product | GeForce RTX 5050(※5050 Tiも共通) |
| Operating System | Windows 11 |
| Download Type | Studio Driver |
| Language | Japanese |
③ 「Search」→「Download」をクリック
インストール手順(クリーンインストール推奨)
1. Illustratorを完全に終了
2. ダウンロードしたドライバーを実行
3. インストールオプションで「カスタム」を選択
4. 「クリーンインストールを実行する」にチェック
5. インストール完了後、PC再起動
インストール後の確認
NVIDIAコントロールパネル → ヘルプ → システム情報で以下を確認してください。
| 確認項目 | 期待値 |
|---|---|
| ドライバーバージョン | 591.44以上 |
| ドライバータイプ | Studio |

クリーンインストールが重要です。古いドライバーの残骸が悪さをすることがあります🧹
それでも改善しない場合の選択肢
Studio Driverでも改善しない場合、以下の選択肢があります。
選択肢1:Adobe・NVIDIAの対応を待つ
RTX 50シリーズは2025年発売の最新GPUです。Adobe・NVIDIA双方で互換性の最適化が進められています。数週間〜数ヶ月で改善される可能性があります。
選択肢2:GPUをRTX 40シリーズに変更
業務継続が最優先であれば、動作実績のあるRTX 40シリーズへの変更も検討してください。
| 推奨GPU | VRAM | 備考 |
|---|---|---|
| RTX 4070 | 12GB | コストパフォーマンス良好 |
| RTX 4070 Ti | 12GB | バランス型 |
| RTX 4080 | 16GB | 高負荷作業向け |
選択肢3:Adobe公式サポートへ問い合わせ
AiSnifferファイルとmsinfo32レポートを添えてAdobe公式サポートへケースを起票することで、問題の早期解決に貢献できます。
【AiSnifferファイルの場所】
%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Adobe\Adobe Illustrator 28 Settings\ja_JP\x64\
【msinfo32レポートの取得方法】
1. Windowsキー + R
2. 「msinfo32」と入力してOK
3. ファイル → 保存 で「msinfo32.nfo」として保存
よくある質問
Q. Game Ready DriverとStudio Driverの違いは?
Game Ready Driverは新作ゲームへの対応を優先し、更新頻度が高いです。Studio DriverはAdobe等のクリエイティブアプリとの安定性を重視し、十分なテストを経てからリリースされます。ゲームをしないクリエイターはStudio Driverを推奨します。
Q. RTX 5050とRTX 5050 Tiのドライバーは別ですか?
同じです。NVIDIAのドライバーは同一シリーズで共通です。ダウンロード画面で「GeForce RTX 5050」を選択すれば、RTX 5050 Tiでも使用できます。
Q. ドライバー変更で他のソフトに影響はありますか?
Studio Driverはゲームでも動作しますが、最新ゲームへの最適化はGame Ready Driverより遅れる場合があります。ゲームも頻繁にプレイする場合は、状況に応じてドライバーを切り替えることも検討してください。
Q. いつ頃互換性が改善されますか?
明確な時期は不明です。RTX 40シリーズの際も、発売後数ヶ月でAdobe製品との互換性が安定しました。RTX 50シリーズも同様の経過をたどると予想されます。NVIDIAとAdobeの公式情報をウォッチすることをおすすめします。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題 | RTX 50シリーズでIllustratorが強制終了 |
| 原因 | Blackwellアーキテクチャとの互換性が未成熟 |
| 対処法 | Game Ready Driver → Studio Driverへ変更 |
| 改善しない場合 | Adobe・NVIDIAの対応待ち or RTX 40シリーズへ変更 |
最新GPUを導入したのにソフトが安定しない——これはハードウェアの問題ではなく、ソフトウェア側の互換性が追いついていないことが原因です。
クリエイティブ用途では「最新」より「安定」を重視する選択も重要です。

同じ症状でお困りの方は、まずStudio Driverへの変更を試してみてください👍


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