はじめに
「写真館に社内SEっているの?」
町の写真館をイメージすると、ITとは無縁に思えるかもしれません。しかし、複数店舗を展開するフォトスタジオでは、予約管理、顧客管理、撮影データの管理、そして振袖などの衣装レンタル管理など、システム化が欠かせない業務がたくさんあります。
私がいた会社は15店舗を展開する写真館で、振袖レンタル事業も行っていました。顧客管理や売上管理、衣装レンタル管理などのサブシステムを内製で開発・運用していました。

写真館は「一生の思い出」を扱う業界。七五三で来てくれたお子さんが、成人式でまた来てくれる…そんな長いお付き合いを支えるのが顧客管理システムです😊
この業界で使う主なシステム
写真館で使われるシステムは、予約から撮影、納品、そしてリピート促進まで一連の流れを管理するものが中心です。私がいた会社ではサブシステムを内製していました。
- 予約管理システム:撮影日時、カメラマン割当、スタジオの空き状況を管理。繁忙期は予約が殺到するため、ダブルブッキング防止が重要
- 顧客管理システム:お客様情報、撮影履歴、DM送付リストを管理。七五三→成人式など、長期的なリピートを促進するための重要なシステム
- 売上管理システム:撮影料、プリント代、アルバム代、衣装レンタル料などを管理
- 衣装レンタル管理システム:振袖などの衣装の在庫、貸出状況、クリーニング状況を管理
- 写真データ管理:撮影データの保管、検索、お客様への納品管理。データ容量が膨大になるため、ストレージ管理も重要
写真館のデータ量:
写真データは1回の撮影で数GB〜数十GBになることも。15店舗分のデータが蓄積されていくため、ストレージの容量管理とバックアップ体制の構築は社内SEの重要な仕事です。

衣装レンタル管理は意外と複雑です。同じ振袖でも「この日は貸出中」「クリーニング中」「この店舗にある」など、状態管理が大変でした👘
社内SEの主な仕事内容
写真館の社内SEは、お客様の「一生の思い出」を支えるシステム全般を担当します。
- 予約管理システムの運用保守
- 顧客管理システムの運用・DM送付リストの作成支援
- 売上管理システムの運用・帳票出力
- 衣装レンタル管理システムの運用
- 写真データのストレージ管理・バックアップ
- 店舗のPC・ネットワーク管理
- 繁忙期に向けたシステム増強・テスト
顧客管理とDM送付
写真館の特徴は、お客様との長いお付き合いです。七五三で来てくれたお子さんが、数年後に成人式でまた来てくれる。そのためには、顧客情報を適切に管理し、タイミングよくDMを送ることが重要です。

来年成人式を迎えるお客様にDMを送りたいんだけど、リスト作ってもらえる?

もちろんです!過去に七五三や卒業式で来てくれた方で、来年成人式の年齢になる方を抽出しますね📋
この業界ならではの課題・大変なこと
繁忙期のプレッシャー
写真館の繁忙期は明確です。七五三シーズン(10〜11月)、成人式シーズン(前撮りは夏〜秋、本番は1月)、卒業・入学シーズン(3〜4月)。この時期は予約が殺到し、システムには高い安定性が求められます。
特に成人式は「一生に一度」のイベント。予約のダブルブッキングや衣装の手配ミスは絶対に許されません。
衣装レンタル管理の複雑さ
振袖レンタルを行っている写真館では、衣装の状態管理が非常に複雑です。
- この振袖は今どの店舗にあるのか
- いつからいつまで貸出中なのか
- クリーニング中ではないか
- 修繕が必要な状態ではないか
これらを15店舗分、数百着の振袖について管理する必要があります。システムと実際の衣装の状態が乖離しないよう、常にデータを最新に保つ運用が求められます。
写真データの容量問題
写真館ならではの課題が、写真データの膨大な容量です。1回の撮影で数GB〜数十GBのデータが発生し、それが15店舗×毎日の撮影で蓄積されていきます。
「5年前に撮った写真をもう一度プリントしたい」というお客様の要望に応えるためには、過去のデータも保管しておく必要があります。ストレージのコストとのバランスが悩ましいところです。

写真データは「消せない」んですよね。お客様にとっては一生の思い出だから、「容量がないから消しました」は絶対に言えません📸
気を付けるべきポイント
- 予約のダブルブッキング防止:システム上でのチェック機能を確実に。特に繁忙期は人為的ミスが起きやすい
- 衣装の在庫・状態管理の徹底:システムと実物の乖離が起きないよう、定期的な棚卸しと運用ルールの整備
- 写真データのバックアップ体制:RAIDやクラウドバックアップなど、多重化は必須
- 顧客データの活用:DMの効果測定を行い、適切なタイミング・内容でアプローチできるよう改善
成人式のプレッシャー:
成人式当日にシステムトラブルが起きたら…想像するだけで恐ろしいです。前日までに全ての準備を完了し、当日は「何も起きないこと」を祈る。それが成人式前の社内SEの心境です。
この業界の社内SEに向いている人
- 繁忙期と閑散期のメリハリがある働き方ができる人
- 「一生の思い出」を扱う責任感を持てる人
- 在庫管理など細かいデータ管理が得意な人
- 大容量データの管理・ストレージ設計に興味がある人
- 顧客との長期的な関係構築を支えることにやりがいを感じる人

七五三で撮影したお子さんが、成人式でまた来てくれる。そのとき「前回の写真も見たい」と言われて、ちゃんとデータが残っている。それが写真館の社内SEの仕事の価値だと思います📷✨
まとめ
写真館の社内SEは、お客様の「一生の思い出」を支える重要な役割です。七五三、成人式、卒業・入学——人生の節目を写真に残すお手伝いを、システム面から支えています。
繁忙期のプレッシャーは大きいですが、閑散期にじっくりシステム改善ができるメリハリのある働き方ができます。衣装レンタル管理、写真データ管理など、この業界ならではの課題もあり、社内SEとしての腕の見せどころです。
「一生の思い出」を扱うからこそ、ミスは許されない。そのプレッシャーを楽しめる人には、やりがいのある業界だと思います。
転職を考えているあなたへ
「繁忙期のプレッシャーがきつい」「写真データの管理に追われる毎日」「もっと違う分野のシステムに挑戦したい」——そんな悩みを抱えていませんか?
写真館で培った顧客管理、在庫管理、大容量データの管理経験は、他業界でも十分に活かせるスキルです。特にECや小売業界では、同様のスキルセットが求められています。もし今の環境に限界を感じているなら、他業界への転職を検討してみてください。


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