はじめに
新しいPCを導入した際、すぐに現場で使えるようにするためには、しっかりとしたキッティング(初期設定)が重要です。社内SEにとって、これを効率的に行う手順を整備しておくことは、納品のスピードとクオリティを左右する重要な要素となります。
この記事では、300台以上のPC導入を経験した社内SEが、キッティングに必要な知識から具体的な手順、実際に使えるコマンド・スクリプトまでを解説します。

Minisforum や GMKtec などの中華PCを大量導入した経験から、現場で本当に役立つノウハウをお伝えします💻
PCキッティングに必要な知識
キッティング作業をスムーズに行うためには、以下の4つの分野の知識が必要です。
1. ハードウェア知識
PCの基本的な構成要素を理解しておく必要があります。
- BIOS/UEFI設定(起動順序、セキュアブート、TPM)
- ストレージの種類(SSD/HDD、NVMe/SATA)
- メモリの確認方法
- 外部ポートの種類(USB、HDMI、DisplayPort)
2. OS知識
Windowsの設定に関する知識は必須です。
- Windowsエディションの違い(Home/Pro/Enterprise)
- ローカルアカウントとMicrosoftアカウントの違い
- Windows Updateの仕組み
- ドライバのインストール方法
- PowerShellの基本操作
3. ネットワーク知識
社内ネットワークに接続するための知識も欠かせません。
- IPアドレスの設定(固定IP/DHCP)
- ドメイン参加の手順
- 共有フォルダへのアクセス設定
- プリンタのネットワーク接続
4. セキュリティ知識
情報漏洩やウイルス感染を防ぐための知識です。
- ウイルス対策ソフトの導入と設定
- Windows Defenderの設定
- BitLockerによる暗号化
- グループポリシーの基本

全部を完璧に覚える必要はありません。まずは手順書を見ながら作業して、少しずつ身につけていきましょう✨
PCキッティングの全体像
1. 購入から現場投入までの流れ
新品PCを購入してから現場で稼働できるまでには、多くの設定作業が発生します。初期OS設定、セキュリティソフトの導入、業務ソフトのインストール、ドライバ更新、ネットワーク接続など多岐に渡ります。
2. 「1枚の手順書」を作る理由
どのPCでも同じ手順で初期設定できるよう、作業手順を1枚のチェックリストにまとめることを強くおすすめします。これにより作業ミスや漏れを防ぎ、属人化も回避できます。

「いつもの設定、誰かに頼みたい…」と思ったら、手順書の出番です。自分もラクになるし、引き継ぎもスムーズですよ✨
キッティング手順の詳細
1. 初期OS設定とローカルアカウント作成
不要なプリインストールアプリを削除し、アカウント名・パスワードを標準化することで、後々の管理がしやすくなります。
ローカルアカウントでセットアップする方法:
Windows 11では初期設定時にMicrosoftアカウントを求められますが、以下の手順でローカルアカウントを作成できます。
- ネットワーク接続画面で「インターネットに接続していません」を選択
- 「制限された設定で続行」を選択
- ローカルアカウント名とパスワードを設定
2. プリインストールアプリの削除
メーカー製PCには不要なアプリが大量にインストールされています。PowerShellで一括削除すると効率的です。
PowerShellで不要アプリを確認するコマンド:
Get-AppxPackage | Select-Object Name, PackageFullName | Out-GridView
よく削除するアプリの例:
# Xbox関連
Get-AppxPackage *xbox* | Remove-AppxPackage
# Skype
Get-AppxPackage *skype* | Remove-AppxPackage
# ゲーム系
Get-AppxPackage *zune* | Remove-AppxPackage
Get-AppxPackage *solitaire* | Remove-AppxPackage

大量展開するときは、削除コマンドをバッチファイルにまとめておくと作業が爆速になりますよ🚀
3. Windows Update・ドライバ更新
初期状態では多くの更新が保留されていることが多いため、最初にすべての更新を適用しておきましょう。
PowerShellでWindows Updateを実行するコマンド:
# Windows Updateモジュールのインストール(初回のみ)
Install-Module -Name PSWindowsUpdate -Force
# 更新プログラムの確認
Get-WindowsUpdate
# 更新プログラムのインストール(自動再起動あり)
Install-WindowsUpdate -AcceptAll -AutoReboot
4. PC名の変更
管理しやすいように、命名規則に沿ったPC名を設定します。
PowerShellでPC名を変更するコマンド:
# PC名を変更(要再起動)
Rename-Computer -NewName "PC-SALES-001" -Restart
命名規則の例:
- PC-部署名-連番(例:PC-SALES-001)
- 拠点コード-部署-連番(例:TK-EIGYO-001)
- 導入年月-連番(例:202501-001)
5. セキュリティソフトと業務アプリのインストール
ウイルス対策ソフトや、会社で使う業務アプリ(Office、ブラウザ、VPNソフトなど)をインストール。これも標準化しておくことで再作業が減ります。
wingetを使ったアプリの一括インストール:
# Google Chromeのインストール
winget install Google.Chrome --silent
# Adobe Acrobat Readerのインストール
winget install Adobe.Acrobat.Reader.64-bit --silent
# 7-Zipのインストール
winget install 7zip.7zip --silent
6. ネットワーク設定とプリンタ登録
会社のWi-Fiや固定IP設定がある場合は、ここで事前に登録しておくと納入後の問い合わせが減ります。プリンタのドライバや共用フォルダのマウントも忘れずに。
共有フォルダをネットワークドライブに割り当てるコマンド:
# Zドライブに共有フォルダを割り当て
net use Z: \\server\share /persistent:yes

あとで現場から「プリンタが出ないんだけど!」って連絡来ないように、先回りしておきましょう〜📠
7. PC名・資産タグ・管理表への記録
最後にPC名をルールに沿って付け、資産台帳へ記録します。設置者や部署情報と紐づけておくと、後々の問い合わせにも対応しやすくなります。
中華PC(Minisforum/GMKtec)導入時の注意点
コストパフォーマンスに優れた中華PCですが、キッティング時に注意すべきポイントがあります。
ドライバが当たらない問題
Windows Updateだけではドライバが正しくインストールされないケースがあります。
対処法:
- メーカー公式サイトから最新ドライバをダウンロード
- デバイスマネージャーで「!」マークがないか確認
- チップセットドライバは必ず手動でインストール
デバイスマネージャーをコマンドで開く:
devmgmt.msc
プリインストールアプリが多い
中華PCには独自のユーティリティソフトがインストールされていることがあります。業務に不要なものは削除しておきましょう。

中華PCは安くて性能も良いけど、最初のセットアップは少し手間がかかります。でも慣れれば問題なしです👍
キッティングチェックリスト
以下のチェックリストを参考に、自社用の手順書を作成してください。
| 項目 | 内容 | チェック |
|---|---|---|
| 初期設定 | ローカルアカウント作成 | □ |
| 初期設定 | PC名の変更 | □ |
| クリーンアップ | 不要アプリの削除 | □ |
| 更新 | Windows Update完了 | □ |
| 更新 | ドライバ更新完了 | □ |
| セキュリティ | ウイルス対策ソフト導入 | □ |
| アプリ | 業務アプリインストール | □ |
| ネットワーク | Wi-Fi/有線LAN設定 | □ |
| ネットワーク | プリンタ登録 | □ |
| ネットワーク | 共有フォルダ接続 | □ |
| 管理 | 資産台帳へ記録 | □ |
| 確認 | 動作確認完了 | □ |
まとめ
PCキッティングは「面倒でも、やっておくと後が楽になる」典型例です。1台ごとの作業を標準化・見える化しておくことで、作業効率が上がるだけでなく、トラブル対応の時間も大幅に減らせます。
この記事で紹介したコマンドやスクリプトを活用して、キッティング作業を効率化してください。
今後、PCの台数が増えても慌てないように、今のうちに自社用の手順書テンプレートを作っておきましょう!

「すぐ渡してすぐ動くPC」って、現場からの信頼もアップしますよ。地味だけど、こういうところが効くんですよね💻


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