はじめに
社内SEとして働いていると、技術だけでなく「人」との関わりが業務の大きな割合を占めることに気づきます。特に現場でのIT支援やヘルプデスク対応では、年代によってパソコンやシステムに対する理解や姿勢に差があり、対応に悩むことも少なくありません。
この記事では、10代から80代までの各年代の傾向やその背景、対応の工夫について、自身の経験をもとにお伝えします。
年代ごとの傾向と向き合い方
10代~20代:デジタルネイティブだが業務ソフトには不慣れ
日常生活ではスマホやSNSに慣れていても、Excelの関数や業務アプリの操作になると戸惑う場面が見られます。「わからない」とは言いにくく、自己流で何とかしようとする傾向があるため、気づかぬミスが重なることもあります。
30代~40代:バランス型でITにも協力的
スマホもPCもある程度使いこなしており、ITに対する壁が比較的低い世代です。社内SEからの提案にも前向きに耳を傾けてくれることが多く、改革や改善の協力者になりやすい存在です。ただし多忙な世代でもあり、提案は端的・具体的に行うことが重要です。
50代~60代:経験豊富ゆえの“自分流”
長年の業務経験により、独自のやり方や操作手順が根付いているケースが多くあります。新しい仕組みに対しては「今のままで困っていない」というスタンスが出やすいため、変更の意義や利便性を丁寧に説明する必要があります。
70代~80代:パソコンは必要最小限の“道具”
業務でパソコンを使うこと自体がストレスとなっているケースもあります。キーボード入力やマウス操作そのものがハードルになるため、支援の際はゆっくりと、繰り返し、実演を交えて行うことが大切です。また、入力フォームなどの画面設計はシンプルに、文字を大きくする配慮も効果的です。
一方的な価値観の押しつけを避けるために
「この世代はこうだから」と決めつけて対応すると、すぐに相手との間に壁ができます。実際には同じ世代でもITに強い人・苦手な人がいるため、先入観は禁物です。大切なのは「聞く姿勢」と「押しつけない支援」です。
ユーザーの言葉の裏にある「本当の困りごと」に気づくことが、社内SEの大切な役割のひとつだと感じます。
まとめ:世代ギャップを越えて、信頼される社内SEへ
社内には多様な世代が共存しています。社内SEとして、全ての世代にとって“安心できる存在”であることを目指すには、「わかってくれる人」「聞いてくれる人」と思ってもらえるような接し方が重要です。
技術力だけでなく、人との距離感、言葉の選び方、伝え方などを工夫することで、業務効率化だけでなく、職場の空気そのものを良い方向へ導くことができます。
「誰でもわかる」「やさしい」「置いていかない」支援を続けていくことが、世代ギャップを埋める鍵となります。そしてそれは、システム導入の成功率を上げ、組織全体のITリテラシーを底上げする大きな一歩にもなるのです。

「聞いてくれるだけでホッとする」そんな存在になれたら、社内SE冥利に尽きますよね。技術も大事だけど、人との関係がうまくいくと、仕事ってもっとスムーズになります😊
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