Copilot+ PCとは?AIパソコンの基礎知識
「AIパソコンって普通のPCと何が違うの?」「Copilot+ PCは会社で必要?」
2024年後半から「AI PC」「Copilot+ PC」という言葉をよく見かけるようになりました。PC買い替えの相談を受ける社内SE・情シス担当者にとって、避けて通れないテーマです。
結論から言うと、2025年時点では多くの企業にとって「急いで導入する必要はない」というのが現実的な判断です。ただし、知識として押さえておくべきポイントはあります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| AI PC | NPU(AI専用チップ)を搭載したPC全般 |
| Copilot+ PC | Microsoftが定めた要件を満たすAI PC(NPU 40TOPS以上) |
| NPU | Neural Processing Unit(AI処理専用プロセッサ) |

「AI PC」は広い概念、「Copilot+ PC」はMicrosoftのブランド名と覚えてください🤖
NPUとは?社内で聞かれた時の説明方法
NPU(Neural Processing Unit)は、AI処理に特化した専用チップです。従来のCPUやGPUとは役割が異なります。
CPU・GPU・NPUの違い
| チップ | 得意なこと | 例え |
|---|---|---|
| CPU | 汎用的な計算処理 | 何でもこなす総合職 |
| GPU | 画像・映像の並列処理 | グラフィック専門職 |
| NPU | AI・機械学習の推論処理 | AI専門職 |
社員向けの簡単な説明例
【社内説明用】
NPUは「AIの計算を速くするための専用部品」です。
従来のパソコンでもAI機能は使えますが、
・処理が遅い
・バッテリーを多く消費する
・パソコン全体が重くなる
という問題がありました。
NPUがあると、AI処理を専門部署に任せるように
他の作業に影響を与えず、省電力でAI機能が動きます。

「専門部署に任せる」という例えは経営層にも伝わりやすいです💡
Copilot+ PCの要件
Microsoftが定める「Copilot+ PC」の要件は以下の通りです。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| NPU性能 | 40 TOPS以上 |
| メモリ | 16GB以上 |
| ストレージ | 256GB以上 |
| 対応CPU | Snapdragon X、Intel Core Ultra、AMD Ryzen AI 300など |
※TOPS = Tera Operations Per Second(1秒間に1兆回の演算)
現在対応しているCPU例
| メーカー | CPU名 | NPU性能 |
|---|---|---|
| Qualcomm | Snapdragon X Elite | 45 TOPS |
| Qualcomm | Snapdragon X Plus | 45 TOPS |
| Intel | Core Ultra 200V(Lunar Lake) | 48 TOPS |
| AMD | Ryzen AI 300シリーズ | 50 TOPS |

Intel第13・14世代やAMD Ryzen 7000番台は「AI PC」ですが「Copilot+ PC」の要件は満たしていません⚠️
Copilot+ PCでできること
Copilot+ PCでは、以下のようなAI機能がローカル(PC内)で動作します。
| 機能 | 内容 | 業務での活用例 |
|---|---|---|
| リコール(Recall) | 過去の作業履歴をAIで検索 | 「先週見たあの資料」を探せる |
| ライブキャプション | リアルタイム翻訳・字幕 | 海外とのWeb会議 |
| 画像生成(Cocreator) | ローカルでの画像生成 | プレゼン資料のイメージ作成 |
| Windows Studio Effects | 背景ぼかし・視線補正 | Web会議の映像品質向上 |
リコール(Recall)機能の注意点
リコール機能は画面のスクリーンショットを定期的に保存し、AIで検索可能にする機能です。便利な反面、セキュリティ・プライバシーの観点から企業利用には懸念があります。
| 懸念点 | 詳細 |
|---|---|
| 機密情報の保存 | 画面に表示された機密データがスクリーンショットとして保存される |
| 情報漏洩リスク | PCの盗難・不正アクセス時に履歴が流出する可能性 |
| コンプライアンス | 業界規制や社内ポリシーに抵触する可能性 |
2025年1月時点で、リコール機能はWindows Insider向けプレビュー段階であり、一般提供は延期されています。企業導入時はグループポリシーでの無効化も検討してください。

リコール機能は便利ですが、企業利用では慎重な判断が必要です🔒
AIパソコンと普通のPCの違い
社員から「AIパソコンって何が違うの?」と聞かれた時のために、違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 普通のPC | AI PC / Copilot+ PC |
|---|---|---|
| AI処理 | CPUまたはGPUで処理(遅い) | NPUで処理(速い・省電力) |
| Copilot | クラウド経由で利用可能 | ローカルでも高速動作 |
| バッテリー | AI処理時に消費大 | AI処理でも省電力 |
| オフライン | AI機能は制限される | 一部AI機能がオフラインで動作 |
| 価格 | 比較的安価 | やや高め(+2〜5万円程度) |
重要なポイント
Copilot(Microsoft 365の生成AI機能)自体は、普通のPCでも使えます。
Copilot+ PCでなくても、Microsoft 365のCopilotはクラウド経由で利用可能です。「Copilot+ PC」はローカルでの処理が速くなる・オフラインで一部機能が使えるという違いであり、Copilotを使うための必須条件ではありません。

「Copilot使うならCopilot+ PC必須」は誤解です。営業トークに惑わされないようにしましょう💰
Copilot+ PCの価格帯(法人向け)
2025年1月時点での法人向けCopilot+ PC価格帯です。
| メーカー | モデル例 | 価格帯(税込) |
|---|---|---|
| Microsoft | Surface Pro 11 / Surface Laptop 7 | 約18万円〜 |
| HP | EliteBook Ultra G1q / OmniBook X | 約17万円〜 |
| Dell | Latitude 5455 / Latitude 7455 | 約18万円〜 |
| Lenovo | ThinkPad T14s Gen 6 | 約19万円〜 |
※法人向け価格は契約条件により変動します。ボリュームディスカウントあり。
通常PCとの価格差
同等スペックの通常PCと比較すると、約2〜5万円程度高い傾向にあります。ただし、2025年後半以降は価格差が縮小していく見込みです。
企業はCopilot+ PCを導入すべきか?
2025年時点での現実的な判断基準を整理します。
導入を急ぐ必要がないケース
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 現在のPCで業務に支障がない | AI機能なしでも業務は継続可能 |
| Microsoft 365 Copilotを契約していない | 主要なAI機能はクラウド側で動作 |
| オフライン環境での利用が少ない | ローカルAIのメリットが活きない |
| PC更新サイクルが決まっている | 次回更新時に検討すれば十分 |
導入を検討すべきケース
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| Windows 10 PCの入れ替えが迫っている | どうせ買い替えるなら将来性のある方を |
| Web会議を頻繁に行う | 背景処理・視線補正が快適に |
| 海外拠点とのやり取りが多い | リアルタイム翻訳機能が有用 |
| 営業職・経営層向けPC | 最新機能による印象・生産性向上 |

「全社一斉導入」ではなく「一部から試験導入」がおすすめです📊
導入判断フローチャート
PC買い替え時に「Copilot+ PC」にするかどうかの判断フローです。
Q1. Windows 10 PCの買い替え予定がありますか?
├─ はい → Q2へ
└─ いいえ → 現時点では導入不要
Q2. Microsoft 365 Copilotを契約していますか(または予定あり)?
├─ はい → Copilot+ PC推奨
└─ いいえ → Q3へ
Q3. Web会議を1日1時間以上行いますか?
├─ はい → Copilot+ PC推奨(映像処理のメリット大)
└─ いいえ → Q4へ
Q4. 予算に余裕はありますか(+3万円程度)?
├─ はい → Copilot+ PCでも可(将来への投資)
└─ いいえ → 通常PCで十分
結論:
・Copilot契約あり or Web会議多い → Copilot+ PC
・それ以外 → 通常PCで問題なし
Windows 10サポート終了との関係
Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了します。多くの企業でPC入れ替えが発生するタイミングです。
買い替え時の選択肢
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 通常のWindows 11 PC | 価格が安い、実績がある | 将来的にAI機能で差がつく可能性 |
| Copilot+ PC | 将来性がある、AI機能が快適 | 価格が高い、機能が発展途上 |
現実的な対応案
全社一斉ではなく、段階的な導入がおすすめです。
【段階的導入の例】
Phase 1(2025年前半)
・経営層、営業部門など一部にCopilot+ PCを試験導入
・使用感・効果を検証
Phase 2(2025年後半)
・Windows 10 PCの大量入れ替え
・検証結果を踏まえて、Copilot+ PCの比率を決定
Phase 3(2026年以降)
・全社的な方針を確定
・価格低下・機能成熟を見て本格展開

Windows 10サポート終了に焦って全部Copilot+ PCにする必要はありません。冷静に判断しましょう🧊
経営層への説明ポイント
「うちもAIパソコンにした方がいいのか?」と経営層から聞かれた時の説明ポイントです。
【経営層向け説明のポイント】
■ 結論
現時点では「必須」ではありません。ただし、将来を見据えた投資判断が必要です。
■ Copilot+ PCのメリット
・AI処理が高速化(Web会議の映像処理など)
・将来のAI機能に対応できる
・省電力(バッテリー持ちが良い)
■ 注意点
・AI機能(Copilot)自体は通常PCでも使える
・価格が通常PCより2〜5万円高い
・機能はまだ発展途上
■ 推奨方針
・全社一斉導入は不要
・一部部門で試験導入し、効果を検証
・Windows 10入れ替え時に段階的に検討
よくある質問
Q. Copilotを使うにはCopilot+ PCが必要ですか?
いいえ、必要ありません。Microsoft 365のCopilotはクラウド経由で動作するため、通常のPCでも利用可能です。Copilot+ PCはローカルでの処理が速くなる・一部機能がオフラインで使えるという違いです。
Q. 今買うPCは全部Copilot+ PCにすべきですか?
必ずしもそうではありません。用途によって判断すべきです。事務作業中心のPCは通常モデルで十分、Web会議が多い部門はCopilot+ PCを検討、という使い分けが現実的です。
Q. 既存のPCにNPUを後付けできますか?
できません。NPUはCPU内蔵または専用チップとしてマザーボードに組み込まれているため、後付けはできません。NPUを使いたい場合はPC自体の買い替えが必要です。
Q. Intel Core UltraならすべてCopilot+ PC対応ですか?
いいえ。初代Core Ultra(Meteor Lake)のNPU性能は約10〜11 TOPSで、Copilot+ PCの要件(40 TOPS以上)を満たしていません。第2世代のCore Ultra 200V(Lunar Lake)以降が対応しています。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| AI PC | NPU搭載PCの総称 |
| Copilot+ PC | NPU 40TOPS以上のMicrosoft認定PC |
| NPU | AI処理専用チップ(省電力・高速) |
| Copilot利用 | 通常PCでも可能(クラウド経由) |
| 導入判断 | 急いで全社導入する必要はなし |
| おすすめ | 一部部門で試験導入→段階的に拡大 |
Copilot+ PCは将来性のある選択肢ですが、2025年時点では「必須」ではありません。Windows 10サポート終了に伴うPC入れ替えのタイミングで、用途に応じた選定を行いましょう。

「AIパソコンって必要?」と聞かれたら、この記事を参考に説明してみてください📖


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