こんな問い合わせが来ていませんか?
2025年12月のWindows Update(KB5072033)が配信されてから、こんな問い合わせが増えていませんか?
- 「PCの起動が遅くなった」
- 「Excelやブラウザの動作がもっさりする」
- 「ファンがずっと回っている」
- 「何もしていないのにディスク使用率が100%」
- 「Windows Update後から明らかに重くなった」
これらの症状は、KB5072033適用後に報告が急増している不具合です。
この記事では、社内SEとして原因の切り分け方法と具体的な対処法を解説します。従業員への説明方法や、複数台管理している場合の対応も含めてまとめました。
「更新したら重くなった」はヘルプデスクあるあるですが、今回は本当にWindows Updateが原因のケースが多いです💦
KB5072033適用後にPCが重くなる2つの原因
KB5072033適用後にPCが重くなる原因として、主に以下の2つが報告されています。
原因1:AppXSVCの起動タイプ変更
AppXSVC(AppX Deployment Service)は、Microsoft Storeアプリの展開・更新を担当するサービスです。
KB5072033では、このサービスの起動タイプが変更されました。
| 項目 | 変更前 | 変更後(KB5072033) |
|---|---|---|
| 起動タイプ | 手動(トリガー開始) | 自動 |
| 動作 | 必要な時だけ起動 | PC起動時から常駐 |
| 影響 | リソース消費少 | リソース消費増 |
Microsoftによると、この変更は「一部のシナリオで信頼性を向上させるため」とのことですが、その代償としてPC起動直後からリソースを消費するようになりました。
特に低〜中スペックのPCで影響が大きく、「起動後しばらくディスク使用率が100%」「アプリ起動がワンテンポ遅れる」といった症状が出やすくなっています。
原因2:配信の最適化のメモリリーク疑惑
配信の最適化(Delivery Optimization)は、Windows Updateのデータを他のPCと共有してダウンロードを効率化する機能です。
KB5072033配信時期と重なって、この機能にメモリリークの疑いが報告されています。
メモリリークとは:
プログラムが使ったメモリを解放せず、どんどん溜め込んでしまう現象です。水道の蛇口を締め忘れて水が流れ続けるようなものです。時間が経つほどメモリを圧迫し、PC全体が重くなります。
この問題が発生すると、タスクマネージャーで「配信の最適化」のメモリ使用量が異常に増えていきます。
どちらが原因かは環境によって異なります。まずは切り分けから始めましょう🔍
原因の切り分け方法(タスクマネージャーで確認)
従業員から「PCが重い」と問い合わせがあったら、まずタスクマネージャーで原因を特定します。
タスクマネージャーの開き方
- キーボードで「Ctrl + Shift + Esc」を同時押し
- タスクマネージャーが開く
- 「詳細」モードになっていなければ、左下の「詳細」をクリック
確認すべきプロセスと判断基準
「プロセス」タブで、CPU・メモリ・ディスクの使用率が高いプロセスを確認します。
| プロセス名 | 正式名称 | 異常の判断基準 | 原因 |
|---|---|---|---|
| wsappx | AppX Deployment Service | 起動後10分以上CPU/ディスクを消費 | AppXSVC問題 |
| 配信の最適化 | Delivery Optimization | メモリ使用量が1GB以上、増え続ける | メモリリーク |
| Antimalware Service | Windows Defender | 長時間CPU100% | 別問題(除外設定で対処) |
従業員への確認依頼テンプレート
リモートで対応する場合、以下のように依頼すると効率的です。
【確認依頼】
お手数ですが、以下の手順で確認結果を教えてください。
1. キーボードで「Ctrl + Shift + Esc」を押す
2. タスクマネージャーが開いたら「プロセス」タブを確認
3. 「CPU」「メモリ」「ディスク」の列で数値が高いものを確認
4. 上位に表示されているプロセス名を教えてください
例:「wsappxがCPU50%、ディスク100%です」
「PCが重い」だけだと原因がわかりません。タスクマネージャーの確認は必須です!📊
対処法1:配信の最適化を無効化する(推奨)
まずは安全で効果の高い「配信の最適化の無効化」から試してください。
設定手順
- 「スタート」→「設定」を開く
- 「Windows Update」をクリック
- 「詳細オプション」をクリック
- 「配信の最適化」をクリック
- 「他のPCからダウンロードを許可する」をオフにする
無効化のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
| メモリリーク問題が解消される | Windows Updateが少し遅くなる可能性 |
| 設定変更だけで済む(リスク低) | 複数台ある環境では回線負荷が増える可能性 |
| いつでもオンに戻せる | ― |
企業環境での注意点
企業環境で複数台のPCがある場合、配信の最適化はネットワーク負荷軽減に役立っています。無効化すると、各PCが個別にMicrosoftからダウンロードするため、回線が混雑する可能性があります。
対応方針の例:
- 問題が発生しているPCのみ無効化する
- WSUSやConfigMgrを使っている場合は配信の最適化は不要
- 修正パッチが出たらオンに戻す
対処法2:PC再起動で様子を見る
KB5072033適用直後は、バックグラウンドで多くの処理が走っています。
適用直後に重い場合は、まず1〜2時間放置してから再起動してください。
これだけで改善するケースも多いです。特に以下の処理が完了するまでは重くなりがちです。
- Windows Search のインデックス再構築
- Microsoft Store アプリの自動更新
- Windows Defender の定義更新とスキャン
従業員への説明例
Windows Update直後は、裏でいろいろな処理が走っているため
一時的に重くなることがあります。
まずはPCを再起動して、30分ほど様子を見てください。
それでも改善しない場合は、再度ご連絡ください。
対処法3:AppXSVCを手動起動に戻す(上級者向け)
配信の最適化を無効化しても改善しない場合、AppXSVCの起動タイプを元に戻す方法があります。
注意:レジストリを変更する作業です。誤操作するとシステムに影響が出る可能性があります。自己責任で実施してください。
レジストリ変更手順
- 「スタート」を右クリック→「ターミナル(管理者)」を開く
- 以下のコマンドを実行
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\AppXSvc" /v Start /t REG_DWORD /d 3 /f
- PCを再起動
元に戻す場合:
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\AppXSvc" /v Start /t REG_DWORD /d 2 /f
起動タイプの値
| 値 | 意味 | 説明 |
|---|---|---|
| 2 | 自動 | PC起動時に自動で開始(KB5072033後の状態) |
| 3 | 手動 | 必要な時だけ開始(変更前の状態) |
| 4 | 無効 | サービスを開始しない(非推奨) |
企業環境での展開
複数台に適用する場合は、グループポリシーまたはスクリプトで展開できます。
バッチファイル例(deploy_appxsvc_fix.bat):
@echo off
echo AppXSVCの起動タイプを手動に変更します...
reg add "HKLM\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\AppXSvc" /v Start /t REG_DWORD /d 3 /f
echo 完了しました。再起動後に有効になります。
pause
この変更はMicrosoft Storeアプリの動作に影響する可能性があります。Storeアプリを業務で使っていない環境向けの対処法です⚠️
対処法4:高速スタートアップを無効化する
Windows 11の「高速スタートアップ」が有効だと、シャットダウンしても完全に電源が切れず、問題が蓄積することがあります。
設定手順
- 「スタート」で「電源プラン」と検索
- 「電源プランの編集」をクリック
- 「電源の追加設定」をクリック
- 左側の「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
- 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
- 「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外す
- 「変更の保存」をクリック
これにより、シャットダウン時に完全に電源が切れるようになり、問題がリセットされやすくなります。
今後の見通し
2025年12月時点で、Microsoftはこの問題を公式に認知していません。
ただし、類似の問題は通常1〜2ヶ月後の月例更新で修正されることが多いです。2026年1月または2月の更新で修正される可能性があります。
社内SE向けの推奨対応:
- 問題が発生したPCには「配信の最適化の無効化」で暫定対処
- 修正パッチが出たら設定を戻す
- 次回の月例更新(2026年1月)の情報をチェックする
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インストールエラー(0x80073712、0x800f0983など)が発生する場合は、以下の記事で対処法を解説しています。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 症状 | KB5072033適用後にPCが重い・遅い |
| 原因1 | AppXSVCの起動タイプが自動に変更された |
| 原因2 | 配信の最適化のメモリリーク疑惑 |
| 切り分け | タスクマネージャーでwsappx/配信の最適化を確認 |
| 対処法(推奨) | 配信の最適化を無効化 |
| 対処法(上級) | AppXSVCを手動起動に変更(レジストリ) |
| 今後 | 2026年1〜2月の更新で修正される可能性 |
対処の流れ:
① タスクマネージャーで原因を切り分け
↓
② 配信の最適化 → 無効化
↓ 改善しない
③ PC再起動(高速スタートアップ無効推奨)
↓ 改善しない
④ AppXSVCを手動起動に変更(上級者向け)
↓ 改善しない
⑤ 来月の更新を待つ
「Windows Update後に重くなった」という問い合わせは、社内SEにとって日常茶飯事ですが、今回のKB5072033は実際にWindowsの動作変更が原因のケースが多いです。
まずはタスクマネージャーで切り分け、配信の最適化の無効化から試してください。
「更新したら重くなった」の問い合わせ、この記事のリンクを送れば説明が楽になるかもしれません😊
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