RDSHとは?RDSとの違いを一言で説明
RDSH(Remote Desktop Session Host)とは、Windows ServerのRDS(Remote Desktop Services)を構成する役割の一つです。
つまり、RDSはサービス全体を指し、RDSHはその中のコンポーネントという関係です。
Windows Serverのリモートデスクトップ環境を構築する際、この2つの用語で混乱する方は多いです。結論から言うと、RDSはサービス全体を指し、RDSHはその中の役割(コンポーネント)の一つです。
この記事では、RDSとRDSHの違いを図解しながら解説します。

RDS環境の構築経験がある社内SEが、初心者向けにわかりやすく解説します👍
RDSとRDSHの基本的な違い
RDSはサービス全体、RDSHは役割の一つ
RDS(Remote Desktop Services)は、Windows Serverでリモートデスクトップ環境を提供するためのサービス群全体を指します。以前は「ターミナルサービス」と呼ばれていたものが、Windows Server 2008で名称変更されました。
一方、RDSH(Remote Desktop Session Host)は、RDSを構成する役割(ロール)の一つです。RDSHは複数のユーザーが同時にサーバーにアクセスし、セッションベースでデスクトップやアプリケーションを利用できるようにする機能を担います。
| 項目 | RDS | RDSH |
|---|---|---|
| 正式名称 | Remote Desktop Services | Remote Desktop Session Host |
| 日本語名 | リモートデスクトップサービス | リモートデスクトップセッションホスト |
| 位置づけ | サービス全体 | RDSの役割(コンポーネント)の一つ |
| 旧称 | ターミナルサービス | ターミナルサーバー |
RDSを構成する役割(ロール)一覧
RDSは複数の役割(ロール)で構成されています。RDSHはその中核となる役割です。
| 役割 | 略称 | 機能 |
|---|---|---|
| リモートデスクトップセッションホスト | RDSH | ユーザーセッションをホストし、デスクトップやアプリを提供 |
| リモートデスクトップ接続ブローカー | RD接続ブローカー | 接続の負荷分散とセッション管理 |
| リモートデスクトップゲートウェイ | RDゲートウェイ | インターネット経由の安全な接続を提供 |
| リモートデスクトップWebアクセス | RD Webアクセス | Webブラウザからのアクセスを提供 |
| リモートデスクトップライセンス | RDライセンス | CAL(クライアントアクセスライセンス)の管理 |
| リモートデスクトップ仮想化ホスト | RDVH | VDI環境で仮想マシンをホスト |

つまり「RDS」という大きな箱の中に「RDSH」という部品が入っているイメージですね💡
各役割の詳細解説
RDSH(リモートデスクトップセッションホスト)
RDSHはRDSの中核となる役割です。1台のWindows Server上で複数のユーザーセッションをホストし、それぞれのユーザーに独立したデスクトップ環境を提供します。
特徴:
- 複数ユーザーが1台のサーバーOSを共有
- 各ユーザーのセッションは互いに隔離される
- サーバーリソース(CPU、メモリ)を効率的に割り当て
- アプリケーションは中央で一括管理
RD接続ブローカー
RD接続ブローカーは、ユーザーからの接続を適切なRDSHサーバーに振り分ける役割を担います。複数のRDSHサーバーがある場合、負荷分散を行います。
主な機能:
- 複数RDSHサーバー間の負荷分散
- 切断されたセッションへの再接続
- セッション状態の管理
RDゲートウェイ
RDゲートウェイは、インターネット経由でRDS環境に安全にアクセスするための役割です。RDPトラフィックをHTTPS(ポート443)でトンネリングします。
主な機能:
- SSL/TLSによる通信の暗号化
- VPNなしでのセキュアなリモートアクセス
- 接続ポリシーによるアクセス制御
RD Webアクセス
RD WebアクセスはWebブラウザを介してRDSリソースにアクセスするためのポータルを提供します。
RDライセンス
RDライセンスはRDS CAL(クライアントアクセスライセンス)を管理し、Microsoftのライセンス要件への準拠を確保します。ユーザーCALとデバイスCALの2種類があります。
RDSHとRDVHの違い(セッション方式 vs VDI方式)
RDSには大きく分けて2つの提供方式があります。
| 項目 | RDSH(セッション方式) | RDVH(VDI方式) |
|---|---|---|
| デスクトップ環境 | 1台のサーバーOSを複数ユーザーで共有 | ユーザーごとに個別の仮想マシン |
| カスタマイズ性 | 低い(共有環境のため制限あり) | 高い(個別環境のため自由) |
| コスト | 低い | 高い |
| 管理の複雑さ | シンプル | 複雑 |
| リソース効率 | 高い | 低い |
| 適したケース | 同じアプリを使う共同作業型 | 個別環境が必要な業務 |
一般的に「RDS」と言う場合は、RDSHを使ったセッション方式を指すことが多いです。

中小企業ではコスト効率の良いRDSH方式が多いですね。VDIは大企業向けのイメージです🏢
RDS環境の構成パターン
最小構成(小規模向け)
小規模な環境では、1台のサーバーにRDSHとRDライセンスを同居させる構成が可能です。ただし、RDライセンスは別サーバーに配置することがMicrosoftのベストプラクティスとされています。
標準構成(中規模向け)
標準的なRDS環境では、以下の役割を配置します。
- RDセッションホスト
- RD接続ブローカー
- RD Webアクセス
- RDライセンス(別サーバー推奨)
高可用性構成(大規模向け)
大規模環境や高可用性が求められる場合は、以下を追加します。
- 複数のRDSHサーバー(ファーム構成)
- RD接続ブローカーのクラスター化
- RDゲートウェイ(外部アクセス用)
- SQLデータベース(セッション管理用)
RDSのライセンス
RDSを利用するには、Windows Serverライセンスに加えて、RDS CAL(クライアントアクセスライセンス)が必要です。
| ライセンス種類 | 説明 | 適したケース |
|---|---|---|
| ユーザーCAL | ユーザー単位でライセンス | 複数デバイスから接続するユーザーがいる場合 |
| デバイスCAL | デバイス単位でライセンス | 共有PCから複数ユーザーが接続する場合 |
まとめ
| 項目 | RDS | RDSH |
|---|---|---|
| 正式名称 | Remote Desktop Services | Remote Desktop Session Host |
| 位置づけ | サービス全体(複数の役割で構成) | RDSの役割(コンポーネント)の一つ |
| 機能 | リモートデスクトップ環境全体を提供 | ユーザーセッションをホスト |
| 他の役割 | 接続ブローカー、ゲートウェイ、ライセンス等 | — |
RDSとRDSHの違いは、「サービス全体」と「その中の役割の一つ」という関係です。
RDS環境を構築する際は、用途や規模に応じて必要な役割を選択し、適切に配置することが重要です。小規模であればRDSHのみの構成も可能ですが、本番環境では接続ブローカーやライセンスサーバーの配置を検討しましょう。

RDS環境はテレワーク推進にも有効です。構築の際はライセンス要件も忘れずに確認してくださいね🚀


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