はじめに
Windows 11 25H2(または24H2)にアップデートした後、こんな症状で困っていませんか?
- スタートメニューをクリックしても開かない
- 「重大なエラー(Critical Error)」というメッセージが表示される
- タスクバーが消えてしまった
- エクスプローラーが繰り返しクラッシュする
- 設定アプリが起動しない、または起動してもすぐ落ちる
2025年7月以降、Windows 11 25H2/24H2環境でスタートメニューやタスクバーがクラッシュする不具合が多数報告されています。特に企業環境やVDI(仮想デスクトップ)環境で深刻な影響が出ており、「朝PCを起動したらタスクバーが消えていて、何もできない」という声が上がっています。
この不具合、スタートメニューもタスクバーも使えないと本当に何もできなくなりますよね💦 原因はXAMLコンポーネントの登録タイミングの問題です。順番に対処法を見ていきましょう!
セクション1:この不具合の症状と発生条件
まず、この不具合がどのような症状なのか、どの環境で発生するのかを整理します。
1-1. 症状の詳細
この不具合では、Windowsのシェル(UI)に関わる複数のコンポーネントが同時に影響を受けます。具体的な症状は以下の通りです。
| 症状 | 詳細 |
|---|---|
| スタートメニューが開かない | クリックしても反応しない、または「重大なエラー」と表示される |
| タスクバーが表示されない | デスクトップだけが表示され、タスクバーが消えている |
| エクスプローラーがクラッシュ | 起動してもすぐに強制終了する、繰り返しクラッシュする |
| 設定アプリが起動しない | 起動しても無言で落ちる、または開かない |
| Windows検索が動かない | 検索ボックスをクリックしても反応しない |
| ShellHost.exeがクラッシュ | イベントログにShellHost.exeのエラーが記録される |
これらの症状は単独で発生することもあれば、複数同時に発生することもあります。最悪の場合、「デスクトップだけが表示され、スタートメニューもタスクバーも何もない」という状態になります。
1-2. 発生条件
この不具合は、以下の条件で発生することが確認されています。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| Windowsバージョン | Windows 11 バージョン 25H2 または 24H2 |
| 更新プログラム | KB5062553(2025年7月)以降を適用 |
| 環境 | プロビジョニング(自動展開)でセットアップされたPC |
| 特に影響大 | VDI(仮想デスクトップ)環境、非永続的なOS環境 |
Microsoftの公式発表では「主に企業環境や管理対象環境に影響し、個人ユーザーが使用するデバイスで発生する可能性は極めて低い」とされています。しかし、一般ユーザーからも報告が上がっているため、完全に無関係とは言えません。
セクション2:原因
なぜスタートメニューやタスクバーがクラッシュするのか、技術的な原因を解説します。
2-1. XAMLパッケージの登録タイミング問題
この問題の根本原因は、XAMLパッケージが適切なタイミングで登録されないことです。
Windows 11のスタートメニュー、タスクバー、エクスプローラー、設定アプリなどは、すべてXAMLベースのUIコンポーネントに依存しています。具体的には以下の3つのパッケージが重要です。
- MicrosoftWindows.Client.CBS
- Microsoft.UI.Xaml.CBS
- MicrosoftWindows.Client.Core
通常、これらのパッケージはWindowsの起動時に自動的に登録されます。しかし、2025年7月のKB5062553以降の更新プログラムを適用した環境では、パッケージの登録が完了する前にエクスプローラー(explorer.exe)が起動してしまうことがあります。
この結果、エクスプローラーが必要なコンポーネントを見つけられず、クラッシュしてしまいます。エクスプローラーはスタートメニューやタスクバーの表示も担当しているため、これらも連鎖的に動作しなくなります。
2-2. なぜ企業環境で多発するのか
この問題が特に企業環境で多発する理由は、「プロビジョニング」という仕組みにあります。
プロビジョニングとは、企業がPCを大量に展開する際に使用する自動セットアップの仕組みです。Windows Autopilot、Microsoft Endpoint Configuration Manager(SCCM)、グループポリシーなどを使って、PCを自動的に設定します。
プロビジョニング環境では、OSの起動シーケンスが通常と異なるため、XAMLパッケージの登録タイミングがずれやすくなります。特にVDI環境では、毎回起動するたびにプロビジョニングが行われるため、問題が頻繁に発生します。
社内SEとしてはVDI環境でこの問題が起きると本当に大変です💦 朝一でユーザーから「何も動かない」と問い合わせが殺到しますからね…
セクション3:対処法(エクスプローラーの再起動)
まずは最も簡単な対処法として、エクスプローラーの再起動を試します。
3-1. タスクマネージャーからエクスプローラーを再起動する
タスクバーが表示されていなくても、キーボードショートカットでタスクマネージャーを起動できます。
手順:
- キーボードの「Ctrl + Shift + Esc」を同時に押す
- タスクマネージャーが起動する
- 「プロセス」タブで「エクスプローラー」または「Windows エクスプローラー」を探す
- 見つけたら右クリックして「再起動」を選択
一時的にデスクトップが消えますが、数秒で復帰します。これでスタートメニューやタスクバーが復活する場合があります。
3-2. エクスプローラーが見つからない場合
エクスプローラーがクラッシュしている場合、プロセス一覧に表示されないことがあります。その場合は手動で起動します。
手順:
- タスクマネージャーのメニューから「ファイル」→「新しいタスクの実行」をクリック
- 「explorer.exe」と入力してEnter
- エクスプローラーが起動し、タスクバーとスタートメニューが表示される
この方法で一時的に復旧できますが、根本的な解決にはなりません。PCを再起動すると同じ問題が再発する可能性があります。
セクション4:対処法(Windows Updateを最新にする)
Microsoftはこの問題に対する修正を継続的にリリースしています。Windows Updateを最新の状態にすることで、問題が解消される場合があります。
4-1. 現在のビルド番号を確認する
まず、お使いのWindowsのビルド番号を確認しましょう。設定アプリが開けない場合は、別の方法で確認します。
確認手順(設定アプリが開ける場合):
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「システム」→「バージョン情報」をクリック
- 「Windowsの仕様」でバージョンとビルド番号を確認
確認手順(設定アプリが開けない場合):
- キーボードの「Windowsキー + R」を押す
- 「winver」と入力してEnter
- 表示されたウィンドウでバージョンとビルド番号を確認
4-2. Windows Updateを実行する
設定アプリが開けない場合でも、コマンドからWindows Updateを実行できます。
手順(設定アプリが開ける場合):
- スタートメニューから「設定」を開く
- 左メニューから「Windows Update」をクリック
- 「更新プログラムのチェック」ボタンをクリック
- 利用可能な更新プログラムをすべてインストール
- インストール完了後、「今すぐ再起動」をクリック
手順(設定アプリが開けない場合):
- キーボードの「Windowsキー + R」を押す
- 「ms-settings:windowsupdate」と入力してEnter
- Windows Updateの画面が直接開く
セクション5:対処法(企業環境向け・ログオンスクリプト)
企業環境やVDI環境で繰り返しこの問題が発生する場合は、Microsoftが推奨するログオンスクリプトを使用します。
5-1. ログオンスクリプトの仕組み
このスクリプトは、ユーザーがログオンする際に実行され、必要なXAMLパッケージが完全に登録されるまでエクスプローラーの起動をブロックします。これにより、パッケージが準備できていない状態でエクスプローラーが起動することを防ぎます。
5-2. スクリプトの入手と設定
Microsoftはこの問題に対する緩和策として、PowerShellスクリプトを公開しています。
入手先:
- Microsoft Learn「Windows 11、バージョン 25H2 の既知の問題と通知」ページ
- KB5062553のサポートページ
スクリプトの設定方法は、グループポリシーまたはIntune(Microsoft Endpoint Manager)を使用します。詳細な手順はMicrosoftの公式ドキュメントを参照してください。
VDI環境で困っている管理者の方は、このログオンスクリプトを設定することで問題を回避できます。グループポリシーで展開すれば、全ユーザーに一括適用できますよ!
セクション6:それでも改善しない場合
上記の対処法を試しても改善しない場合は、以下の方法を試してください。
6-1. システムファイルの修復
システムファイルが破損している可能性があります。コマンドプロンプトからシステムファイルチェッカーを実行します。
手順:
- 「Ctrl + Shift + Esc」でタスクマネージャーを開く
- 「ファイル」→「新しいタスクの実行」をクリック
- 「cmd」と入力し、「管理者権限で作成」にチェックを入れてOK
- 以下のコマンドを順番に実行
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
DISMコマンドは完了まで10〜30分程度かかることがあります。完了後、PCを再起動して症状が改善されたか確認してください。
6-2. 新しいユーザープロファイルを作成する
ユーザープロファイルが破損している場合、新しいアカウントを作成することで問題が解消されることがあります。
手順:
- 「Windowsキー + R」を押す
- 「ms-settings:otherusers」と入力してEnter
- 「その他のユーザー」→「アカウントの追加」で新しいローカルアカウントを作成
- 作成したアカウントでサインインして症状を確認
新しいアカウントで問題が発生しない場合は、元のユーザープロファイルに問題がある可能性が高いです。
まとめ
Windows 11 25H2/24H2でスタートメニューやタスクバーがクラッシュする不具合について解説しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現象 | スタートメニューが開かない、タスクバーが消える、エクスプローラーがクラッシュ |
| 影響範囲 | Windows 11 25H2/24H2、特に企業環境・VDI環境 |
| 原因 | XAMLパッケージの登録タイミング問題 |
| 発生条件 | KB5062553(2025年7月)以降を適用したプロビジョニング環境 |
| 対処法 | エクスプローラー再起動、Windows Update、ログオンスクリプト |
対処の流れをまとめると以下の通りです。
① Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを起動
↓
② エクスプローラーを再起動(または手動で起動)
↓ 再発する
③ Windows Updateを最新にする
↓ 改善しない
④ 企業環境の場合:ログオンスクリプトを設定
↓ 改善しない
⑤ DISM / sfc で システムファイル修復
↓ 改善しない
⑥ 新しいユーザープロファイルを作成
この問題は主に企業環境で発生しますが、個人ユーザーでも遭遇する可能性があります。スタートメニューやタスクバーが使えなくなると非常に困りますが、キーボードショートカットを覚えておけば、タスクマネージャーから復旧できます。
Microsoftも引き続きこの問題に対応しているため、Windows Updateを最新の状態に保つことが重要です。企業のIT管理者の方は、ログオンスクリプトの導入も検討してください。
その他のWindows 11 25H2/24H2 不具合と対処法
Windows 11 25H2/24H2では以下の不具合が報告されています。お困りの症状があれば、各記事をご確認ください。
リモートデスクトップが遅い・固まる
Windows 11 24H2/25H2でリモートデスクトップ接続が遅くなる問題は、UDPプロトコルの設定が原因です。レジストリでUDPを無効化することで改善できます。
スタートメニュー・タスクバーがクラッシュする
25H2へのアップデート後、スタートメニューが開かない、タスクバーが反応しないなどの不具合が報告されています。エクスプローラーの再起動やレジストリ修正で対処できます。
エクスプローラーが白く点滅する
ダークモード使用時にエクスプローラーが一瞬白く光る不具合です。KB5072033で修正されましたが、適用できない場合は別の回避策もあります。
共有フォルダにアクセスできない
24H2からSMB署名が必須化され、古いNASやサーバーに接続できなくなるケースが増えています。ゲストアクセスの設定変更やSMB署名の無効化で対処できます。
NASへのアクセスが遅い
Windows 11でNASやファイルサーバーへのアクセスが極端に遅くなる問題です。SMBの設定変更やネットワークアダプタの省電力設定を見直すことで改善できます。
「Ctrl + Shift + Esc」でタスクマネージャーを開く、これだけは覚えておいてください!この記事がお役に立てれば嬉しいです😊







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