はじめに
2026年は社内SEにとって「対応ラッシュ」の年です。
1月の下請法改正から始まり、MySQL 8.0、Amazon Linux 2、Office 2021、PHP 8.2と主要なEOLが続きます。さらに経産省のセキュリティ評価制度も本格運用開始。対応しないと取引に影響する案件も出てきます。
この記事では、2026年に社内SEが対応すべき法改正・EOL・制度を月別カレンダー形式で整理しました。

年間計画を立てるときの参考にしてください。予算確保の説明資料にも使えます📅
2026年 社内SE対応カレンダー(一覧)
まずは全体像を把握しましょう。2026年の主要な対応事項を月別にまとめました。
| 月 | 対応事項 | カテゴリ |
|---|---|---|
| 1月 | 下請法改正(取適法)施行 | 法改正 |
| 4月 | MySQL 8.0 EOL / 女性活躍推進法改正 / 労働安全衛生法改正 | EOL / 法改正 |
| 6月 | Amazon Linux 2 EOL | EOL |
| 7月 | 障害者雇用率引上げ(2.7%) | 法改正 |
| 10月 | Office 2021 EOL / セキュリティ評価制度運用開始 | EOL / 制度 |
| 11月 | PostgreSQL 14 EOL / サイバー対処能力強化法 | EOL / 法改正 |
| 12月 | PHP 8.2 EOL / カスハラ防止措置義務化 | EOL / 法改正 |
以下、各月の詳細を解説します。
1月|下請法改正(取適法)施行
施行日:2026年1月1日
下請法が大幅に改正され、「中小受託取引適正化法(取適法)」に名称変更されます。社内SEにも影響がある改正です。
主な改正ポイント
- 従業員数基準の追加:資本金だけでなく、従業員数(製造委託等300人超/役務提供委託等100人超)でも適用対象に
- 手形払いの原則禁止:支払いサイトの見直しが必要
- 価格交渉義務の強化:一方的な価格決定の禁止
社内SEの対応
- 発注システム・購買システムの改修
- 取引先マスタに「従業員数」項目を追加
- 支払いサイクルの変更に伴うシステム改修

取引先の従業員数は公表義務がないので、契約書に確認条項を入れるなど総務・法務との連携が必要です💡
4月|法改正ラッシュ+MySQL 8.0 EOL
4月は対応が集中する月です。計画的に進めないと間に合いません。
MySQL 8.0 EOL(4月30日)
MySQL 8.0のサポートが終了します。移行先はMySQL 8.4 LTS(5年サポート)が推奨です。
主な変更点
- デフォルト認証が
caching_sha2_passwordに変更 - MASTER/SLAVE用語の廃止(SOURCE/REPLICAに)
- 新しい予約語の追加(MANUAL, PARALLEL, QUALIFY, TABLESAMPLE)
社内SEの対応
- MySQL 8.0利用環境の棚卸し
- アプリケーションの互換性確認
- テスト環境での移行検証
女性活躍推進法改正(4月1日)
男女間賃金差異・女性管理職比率の情報公表義務が拡大されます。
社内SEの対応
- 人事システムでの集計・レポート機能の追加
- 公表用データの出力機能
労働安全衛生法改正(4月1日)
ストレスチェック義務の対象拡大(50人未満事業場への義務化準備)やフリーランスの労災防止対策が強化されます。
社内SEの対応
- ストレスチェックシステムの導入検討
- 外部委託先との情報連携
6月|Amazon Linux 2 EOL
サポート終了日:2026年6月30日
AWSの標準OSとして広く使われてきたAmazon Linux 2のサポートが終了します。後継のAmazon Linux 2023(AL2023)への移行が必要です。
AL2とAL2023の違い
| 項目 | Amazon Linux 2 | Amazon Linux 2023 |
|---|---|---|
| ベース | RHEL 7系 | Fedora系 |
| パッケージ管理 | yum | dnf |
| サポート終了 | 2026年6月 | 2029年6月 |
社内SEの対応
- EC2インスタンスの棚卸し(AL2利用状況の確認)
- AMIの更新
- アプリケーションの動作検証
- Dockerイメージの更新

AL2023はパッケージ管理がyumからdnfに変わります。運用スクリプトの修正も忘れずに⚠️
7月|障害者雇用率引上げ
施行日:2026年7月1日
法定雇用率が2.5%から2.7%に引き上げられます。
社内SEの対応
- 人事システムの雇用率算定ロジック確認
- レポート機能の更新
10月|Office 2021 EOL+セキュリティ評価制度
10月は全社員に影響するOffice 2021のEOLと、取引に影響しうるセキュリティ評価制度の開始が重なります。
Office 2021 EOL(10月13日)
買い切り版のOffice 2021がサポート終了します。
移行先の選択肢
- Microsoft 365(サブスクリプション)← 推奨
- Office 2024(買い切り)
社内SEの対応
- Office 2021利用PCの棚卸し
- ライセンス調達・予算確保
- 展開計画の策定
セキュリティ対策評価制度(10月頃運用開始)
経産省が推進する「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度」が本格運用開始予定です。
制度の概要
- 5段階(★1〜★5)でセキュリティ対策レベルを評価
- ★3・★4は自己評価(25項目)
- 取引先から「★3以上」を求められる可能性
社内SEの対応
- IT資産の棚卸し
- セキュリティ対策状況の自己評価
- 不足している対策の実施
- エビデンス資料の整備

セキュリティ評価制度は「対応しないと取引できない」可能性があります。経営層への説明資料としても重要です📊
11月|PostgreSQL 14 EOL+サイバー対処能力強化法
PostgreSQL 14 EOL(11月頃)
PostgreSQL 14のサポートが終了します。PostgreSQL 16または17への移行を検討しましょう。
社内SEの対応
- PostgreSQL 14利用環境の棚卸し
- 移行計画の策定
- アプリケーションの互換性確認
サイバー対処能力強化法(11月頃施行)
サイバー攻撃への対応に関する法整備が行われます。
社内SEの対応
- インシデント対応体制の文書化
- BCP(事業継続計画)の見直し
- 報告フローの整備
12月|PHP 8.2 EOL+カスハラ防止義務化
年末は対応を避けたい時期ですが、EOLは待ってくれません。早めに対応しましょう。
PHP 8.2 EOL(12月31日)
PHP 8.2のサポートが終了します。PHP 8.3またはPHP 8.4への移行が必要です。
主な変更点(8.3/8.4移行時)
utf8_encode()/utf8_decode()の削除(8.3)- 動的プロパティの非推奨化
mysqli_ping()の非推奨化(8.4)
社内SEの対応
- PHP 8.2利用環境の棚卸し
- アプリケーションの互換性確認
- テスト環境での検証
- 年末を避けた移行スケジュール策定
カスハラ防止措置義務化(年内施行予定)
労働施策総合推進法の改正により、カスタマーハラスメント防止措置が義務化されます。
社内SEの対応
- 問い合わせ対応システムの見直し
- チャットボット・FAQ導入検討
- 通話録音システムの整備

PHP移行は年末年始を避けて、11月までに完了させるのがおすすめです🗓️
年間を通じて対応すべきこと
月別の対応以外にも、年間を通じて取り組むべき項目があります。
Windows 10 → 11移行の継続
Windows 10は2025年10月にサポート終了済みです。まだ移行が完了していない場合は、引き続き対応が必要です。
IT資産棚卸し
セキュリティ評価制度対応のためにも、IT資産の把握は必須です。PC、サーバー、ソフトウェア、クラウドサービスを一覧化しましょう。
BCP・インシデント対応計画の更新
サイバー攻撃のリスクが高まる中、事業継続計画やインシデント対応計画の見直しは必須です。
2026年対応スケジュール例
四半期ごとの対応スケジュール例を示します。
| 四半期 | 主な対応 |
|---|---|
| Q1(1-3月) | 下請法対応完了、MySQL/AL2移行準備、年間計画策定 |
| Q2(4-6月) | MySQL移行、AL2移行、人事システム改修 |
| Q3(7-9月) | Office移行準備、セキュリティ評価準備、PostgreSQL移行 |
| Q4(10-12月) | PHP移行(11月までに完了)、年末は新規対応を避ける |
まとめ
| カテゴリ | 主な対応事項 |
|---|---|
| EOL | MySQL 8.0、Amazon Linux 2、Office 2021、PostgreSQL 14、PHP 8.2 |
| 法改正 | 下請法、女性活躍推進法、労働安全衛生法、障害者雇用率、カスハラ防止 |
| 制度 | セキュリティ対策評価制度(★3/★4) |
2026年は対応が集中する年です。特にセキュリティ評価制度は「対応しないと取引に影響する」可能性があるため、早めの準備が重要です。
この記事を参考に、年間計画を立てて計画的に対応を進めてください。

2026年は忙しい年になりそうです。早めに動いて、余裕を持って対応しましょう💪


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