はじめに
「リモートデスクトップが遅い」「画面が固まる」「突然切断される」
テレワークが普及した今、社内SEにはこうした問い合わせが増えています。特にWindows 11 24H2へアップデートした後に症状が出るケースが多いようです。
この記事では、リモートデスクトップのUDP通信を無効化して改善する方法を解説します。

私もこの設定で改善しました。リモートデスクトップが遅いときの定番対処法です👍
なぜUDPを無効にすると改善するのか
UDPとTCPの違い
リモートデスクトップの通信には「UDP」と「TCP」という2つのプロトコルがあります。
| プロトコル | 特徴 |
|---|---|
| UDP | 高速だが、データの到達を保証しない |
| TCP | 速度は遅いが、信頼性が高い |
UDPは「送りっぱなし」で相手が正常に受け取ったか確認しません。一方、TCPは確認して、届いていなければ再送します。
Windows 8以降、UDPが優先になった
Windows 8以降、リモートデスクトップ接続のプロトコルはUDP優先に変更されました。回線状況が良ければUDPの方が高速ですが、不安定な回線ではかえって遅くなったり、切断されたりします。
特に以下の環境で問題が起きやすいです。
- VPN経由の接続
- テザリング・モバイル回線
- 公共Wi-Fi
- 古いサーバーへの接続
- Windows 11 24H2環境
UDPを無効にしてTCPのみにすることで、これらの問題が改善するケースが多いです。
設定方法①:サーバー側(接続される側)で設定
接続される側のPCで設定する方法です。複数のクライアントから接続される場合は、この方法が効率的です。
手順
1. グループポリシーエディターを開く
「Windows」+「R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開き、gpedit.mscと入力してEnter。
2. 以下の順に展開する
コンピューターの構成
→ 管理用テンプレート
→ Windowsコンポーネント
→ リモートデスクトップサービス
→ リモートデスクトップセッションホスト
→ 接続
3. 「RDPトランスポートプロトコルの選択」を開く
右側の一覧から「RDPトランスポートプロトコルの選択」をダブルクリック。
4. 設定を変更する
- 「有効」にチェック
- 「トランスポートの種類の選択」で「TCPのみを使用」を選択
- 「OK」をクリック
5. PCを再起動する
設定を反映するために再起動が必要です。

サーバー側で設定すれば、すべてのクライアントに適用されます。台数が多い場合はこちらがおすすめです💡
設定方法②:クライアント側(接続する側)で設定
接続する側のPCで設定する方法です。いろいろなサーバーに接続する場合は、この方法が便利です。
手順
1. グループポリシーエディターを開く
「Windows」+「R」キーを押してgpedit.mscと入力してEnter。
2. 以下の順に展開する
コンピューターの構成
→ 管理用テンプレート
→ Windowsコンポーネント
→ リモートデスクトップサービス
→ リモートデスクトップ接続のクライアント
3. 「クライアントのUDPを無効にする」を開く
右側の一覧から「クライアントのUDPを無効にする」をダブルクリック。
4. 設定を変更する
- 「有効」にチェック
- 「OK」をクリック
クライアント側の設定は再起動不要で、次回のリモートデスクトップ接続から反映されます。
設定方法③:レジストリで設定(Home版向け)
Windows 11 Homeなど、グループポリシーエディター(gpedit.msc)が使えない環境では、レジストリで設定します。
サーバー側(接続される側)の場合
1. レジストリエディターを開く
「Windows」+「R」キーを押してregeditと入力してEnter。
2. 以下のキーに移動する
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows NT\Terminal Services
※キーが存在しない場合は作成してください。
3. DWORD値を作成する
- 右クリック → 新規 → DWORD(32ビット)値
- 名前:
SelectTransport - 値:
1(TCPのみ)
4. PCを再起動する
クライアント側(接続する側)の場合
1. レジストリエディターを開く
2. 以下のキーに移動する
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows NT\Terminal Services\Client
3. DWORD値を作成する
- 右クリック → 新規 → DWORD(32ビット)値
- 名前:
fClientDisableUDP - 値:
1(UDP無効)

レジストリ編集は間違えるとシステムに影響が出る可能性があります。事前にバックアップを取っておきましょう⚠️
設定が反映されたか確認する方法
リモートデスクトップ接続中に、画面上部の接続バーにある電波アイコン(接続品質アイコン)をクリックします。
表示されるメッセージに「UDP有効」という文言がなければ、UDPは無効になっています。
注意点
WAN経由ではパフォーマンス低下の可能性
UDP接続を無効にすると、WAN経由(インターネット経由)でのリモートデスクトップのパフォーマンスが低下する場合があります。
回線が安定している環境では、UDPの方が高速なこともあるため、状況に応じて判断してください。
不具合修正後は元に戻すことを推奨
Windows UpdateでUDP関連の不具合が修正された場合は、設定を元に戻す(UDP有効に戻す)ことが推奨されています。
LAN内では問題が起きにくい
社内LANなど安定したネットワーク環境では、そもそもこの問題が起きにくいです。VPNやテザリング環境で問題が発生している場合に試してみてください。
その他の高速化設定
UDP無効化でも改善しない場合は、以下の設定も試してみてください。
画面の色深度を下げる
リモートデスクトップ接続のオプション → 画面タブ → 画面の色を「High Color(16ビット)」に変更。通信量が減り、動きが速くなる可能性があります。
エクスペリエンス設定を調整
リモートデスクトップ接続のオプション → エクスペリエンスタブ → 「フォントスムージング」のみチェックを入れ、他は外す。
画面サイズを小さくする
リモートデスクトップ接続のオプション → 画面タブ → 画面の設定を小さくする。作業に支障のない範囲で小さくすると通信量が減ります。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題 | リモートデスクトップが遅い・固まる・切断される |
| 原因 | UDP通信が不安定な回線で悪影響 |
| 対処法 | UDP無効化(TCPのみに設定) |
| 設定場所 | グループポリシーまたはレジストリ |
| 設定対象 | サーバー側・クライアント側どちらか一方でOK |
リモートデスクトップが遅い・固まる問題は、UDP無効化で改善するケースが多いです。
サーバー側・クライアント側どちらか一方で設定すれば反映されます。まずは試してみて、改善しなければ他の高速化設定も検討してください。

テレワーク環境でリモートデスクトップが遅いと業務効率に影響します。この設定で快適になれば嬉しいです🚀


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