はじめに
PCを1台ずつセットアップするのと、300台以上を一気に展開するのでは、まったく別の作業です。大量展開では「1台なら気にならない問題」が積み重なって、大きなトラブルになることがあります。
この記事では、実際に300台以上のPCを導入した経験から、大量展開でよくあるトラブルとその対処法を紹介します。

1台のときは「まあいいか」で済んでも、300台だと「まあいいか×300」になります。事前に知っておくと全然違いますよ💦
トラブル1:プリインストールアプリの削除が終わらない
どんなトラブル?
メーカー製PCには、購入時点で大量の不要アプリがインストールされています。1台ずつ手作業で削除していると、膨大な時間がかかります。
よくある不要アプリの例:
- メーカー独自のユーティリティソフト
- 試用版のセキュリティソフト(McAfee、Nortonなど)
- ゲーム系アプリ(Candy Crush、Solitaireなど)
- Xbox関連アプリ
- Skype、映画&テレビなどのMicrosoft標準アプリ
なぜ問題になる?
- 1台あたり10〜15分かかると、300台で約60時間のロス
- 手作業だと削除漏れが発生しやすい
- 試用版セキュリティソフトが残っていると、正規ソフトと競合する
対処法:PowerShellで一括削除
PowerShellスクリプトを使えば、不要アプリを一括で削除できます。
削除対象のアプリを確認するコマンド:
Get-AppxPackage | Select-Object Name, PackageFullName | Out-GridView
一括削除スクリプトの例:
# 不要アプリ削除スクリプト
# 管理者権限でPowerShellを実行してください
# Xbox関連
Get-AppxPackage *xbox* | Remove-AppxPackage -ErrorAction SilentlyContinue
# ゲーム系
Get-AppxPackage *solitaire* | Remove-AppxPackage -ErrorAction SilentlyContinue
Get-AppxPackage *zune* | Remove-AppxPackage -ErrorAction SilentlyContinue
Get-AppxPackage *candycrush* | Remove-AppxPackage -ErrorAction SilentlyContinue
# Skype
Get-AppxPackage *skype* | Remove-AppxPackage -ErrorAction SilentlyContinue
# その他
Get-AppxPackage *bingweather* | Remove-AppxPackage -ErrorAction SilentlyContinue
Get-AppxPackage *bingnews* | Remove-AppxPackage -ErrorAction SilentlyContinue
Write-Host "不要アプリの削除が完了しました" -ForegroundColor Green
スクリプトの使い方:
- 上記コードを「remove-apps.ps1」として保存
- PowerShellを管理者権限で起動
- スクリプトを実行
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
.\remove-apps.ps1

スクリプトをUSBメモリに入れておけば、どのPCでもサッと実行できます。300台だと1台5分の短縮で25時間も節約できますよ⏱️
注意点
- 削除前に必要なアプリを確認すること
- 電卓やフォトなど、業務で使うアプリを削除しないこと
- スクリプトは事前に1台でテストしてから展開すること
トラブル2:ドライバが当たらない(中華PCで頻発)
どんなトラブル?
Minisforum や GMKtec などの中華PCでは、Windows Updateだけではドライバが正しくインストールされないことがあります。
よくある症状:
- デバイスマネージャーに「!」マークが表示される
- 音が出ない
- 画面の解像度がおかしい
- Wi-Fiが認識されない
- Bluetoothが使えない
- スリープから復帰できない
なぜ問題になる?
- 納品後に「音が出ない」「Wi-Fiが繋がらない」と問い合わせが殺到する
- 300台のうち数台だけ症状が出ることもあり、原因特定が難しい
- ドライバ不具合はWindows Updateで直らないことが多い
対処法:手動でドライバをインストール
ステップ1:デバイスマネージャーで確認
devmgmt.msc
「!」マークや「不明なデバイス」がないか確認します。
ステップ2:メーカーサイトからドライバをダウンロード
中華PCメーカーのドライバダウンロードページ:
- Minisforum:https://www.minisforum.com/page/support.html
- GMKtec:https://www.gmktec.com/pages/drivers-support
ステップ3:優先的にインストールすべきドライバ
- チップセットドライバ(最優先)
- グラフィックドライバ(Intel/AMD)
- オーディオドライバ(Realtek等)
- ネットワークドライバ(Wi-Fi/有線LAN)
- Bluetoothドライバ

チップセットドライバを入れないと他のドライバも正常に動かないことがあります。順番が大事です👆
大量展開での効率化テクニック
300台の展開では、ドライバを毎回ダウンロードしていられません。以下の方法で効率化しましょう。
1. ドライバパッケージを事前に準備
- 必要なドライバをすべてダウンロードしてUSBメモリにまとめる
- フォルダ構成を統一する(例:/Drivers/Chipset、/Drivers/Audio)
2. サイレントインストールを活用
ドライバのインストーラーにはサイレントオプションがあることが多いです。
# 例:Intelドライバのサイレントインストール
setup.exe -s
3. 最初の1台で動作確認を徹底する
- 音声出力テスト
- 画面解像度の確認
- Wi-Fi接続テスト
- スリープ→復帰テスト
- USB機器の認識確認

最初の1台で問題が見つかれば、残り299台で同じ問題を防げます。ここは絶対に手を抜かないでください🔍
大量展開を成功させるチェックリスト
以下のチェックリストで、トラブルを未然に防ぎましょう。
| フェーズ | 項目 | チェック |
|---|---|---|
| 事前準備 | 不要アプリ削除スクリプト作成 | □ |
| 事前準備 | ドライバパッケージをUSBに保存 | □ |
| 事前準備 | インストールするアプリ一覧作成 | □ |
| 検証 | 1台目で全手順をテスト | □ |
| 検証 | 音声出力テスト | □ |
| 検証 | 画面解像度確認 | □ |
| 検証 | ネットワーク接続テスト | □ |
| 検証 | スリープ復帰テスト | □ |
| 展開 | 手順書に沿って作業 | □ |
| 展開 | デバイスマネージャーで「!」確認 | □ |
| 記録 | 資産台帳への記録 | □ |
まとめ
PC300台の大量展開では、事前準備がすべてを決めます。
- プリインストールアプリはPowerShellスクリプトで一括削除
- 中華PCのドライバは手動でインストールが必要
- 最初の1台で徹底的にテストしてから展開する
この記事で紹介したスクリプトやチェックリストを活用して、トラブルのない展開を実現してください。

300台の展開は大変ですが、終わったときの達成感は格別です。準備をしっかりして乗り越えましょう💪


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