はじめに
「結婚式場に社内SEっているの?」
結婚式場と聞くと、ウェディングプランナーや司会者、シェフなどが思い浮かぶかもしれません。しかし実際には、予約管理、顧客管理、当日の演出用システムなど、ITシステムが欠かせない業界です。特に挙式当日にシステムトラブルが起きたら…考えただけでも恐ろしいですよね。
私がいた会社は2つの式場を運営する結婚式場でした。社内SEとしての仕事は、前任者が作ったPHPのWebシステムの保守や、ハード機器の管理がメインでした。フレックス裁量労働制だったので、平日は比較的自由に働けましたが、土日は挙式があるため緊張感がありました。

結婚式は「一生に一度」のイベント。当日にトラブルを起こすわけにはいきません。土日は常に携帯を手放せませんでした😅
この業界で使う主なシステム
結婚式場で使われるシステムは、予約管理から当日の演出まで多岐にわたります。私がいた会社では、前任者がPHPで作ったWebシステムを使っていました。
- 予約・顧客管理システム:来館予約、成約情報、打ち合わせ履歴などを管理。PHPで内製されていた
- 挙式進行管理:当日のタイムスケジュール、演出のタイミングを管理
- 写真・映像管理システム:挙式の写真・映像データの保管、お客様への納品管理
- 見積・請求管理:プラン、オプション、持ち込み料などを計算。金額が大きいのでミスは許されない
- 演出用機器:プロジェクター、音響、照明などの制御システム
ブラックボックス化したシステム:
私が引き継いだシステムは、前任者がPHPで作ったものでした。ドキュメントはほとんどなく、コードを読んで動作を理解するところから始める必要がありました。「なぜこの処理が入っているのか」が分からないことも多く、改修には神経を使いました。

前任者が作ったシステムをブラックボックスのまま引き継ぐ…社内SEあるあるですよね。コードを読み解くところから始まりました💻
社内SEの主な仕事内容
結婚式場の社内SEは、お客様の「一生に一度の日」を支えるシステム全般を担当します。
- 予約・顧客管理システムの運用保守
- 前任者が作ったシステムの改修・保守
- PC・プリンタ・ネットワークなどハード機器の管理
- 演出用機器(プロジェクター、音響)のサポート
- 写真・映像データの管理
- 挙式当日のトラブル対応(待機)
平日と土日の働き方
結婚式場の特徴は、平日閑散・土日繁忙という働き方です。挙式は土日に集中するため、土日は何かあったときにすぐ対応できるよう待機している必要があります。
フレックス裁量労働制だったので、平日は比較的自由に働けました。システムの改修や、ドキュメント整備などは平日にじっくり取り組めます。ただ、土日に向けて「何も起きませんように」と祈る気持ちは常にありました。

今日の挙式、プロジェクターの調子が悪いみたいで…すぐ来てもらえる?

すぐ行きます!挙式の何分前ですか?…間に合ってよかった😅💦
この業界ならではの課題・大変なこと
挙式当日のハード機器故障
結婚式場で最も怖いのは、挙式当日のハード機器故障です。PCが動かない、ネットワークが不通、プロジェクターが映らない——どれも挙式の進行に影響を与えるトラブルです。
結婚式は「一生に一度」のイベント。「システムトラブルで映像が流せませんでした」なんて、絶対に言えません。土日は常に携帯を手放せず、何かあればすぐに駆けつける覚悟が必要でした。予備機の準備、事前チェックの徹底など、トラブルを未然に防ぐ努力が欠かせません。
前任者が作ったブラックボックスのシステム
私が最も苦労したのは、前任者がPHPで作ったWebシステムの保守でした。ドキュメントはほとんどなく、コードにコメントも少ない。「なぜこの処理が入っているのか」「この変数は何に使われているのか」を、コードを読み解きながら理解していく必要がありました。
下手に触ると動かなくなるリスクがあるため、改修には細心の注意を払いました。本番環境に影響を与えないよう、テスト環境を整備するところから始めなければなりませんでした。社内SEなら誰もが経験する「ブラックボックス引き継ぎ」ですが、結婚式場という失敗が許されない環境では、特にプレッシャーが大きかったです。
土日繁忙・平日閑散の働き方
結婚式場は土日が本番です。挙式は土日に集中するため、社内SEも土日は待機が基本。何かあればすぐに対応できるようにしておく必要があります。
一方、平日は比較的穏やかです。打ち合わせや見学はありますが、挙式ほどの緊張感はありません。この「繁閑差」に慣れるまでは、生活リズムを整えるのが大変でした。フレックス裁量労働制だったので、平日に休みを取ることもできましたが、土日に完全にオフにするのは難しい環境でした。
写真・映像データの管理
結婚式場では、挙式の写真・映像データを大量に扱います。1組の挙式で数GB〜数十GBのデータが発生し、それが毎週末積み重なっていきます。
お客様にとっては一生の思い出。「データが消えました」は絶対に言えません。ストレージの容量管理、バックアップ体制の構築、納品までのワークフロー整備など、地味ですが重要な仕事でした。また、お客様から「去年の写真をもう一度ほしい」という依頼が来ることもあるため、過去データの検索性も考慮する必要がありました。

結婚式の写真・映像はお客様の一生の宝物。それを守るのも社内SEの大事な仕事です📸💒
気を付けるべきポイント
- ハード機器の予備を必ず確保:PC、プロジェクター、ケーブル類など、当日に故障しても代替できる体制を
- 挙式前の事前チェックを徹底:当日の朝ではなく、前日までに全ての機器をチェック
- ブラックボックスのシステムはドキュメント化を進める:自分のためにも、次の担当者のためにも
- 写真・映像データのバックアップは多重化:RAIDだけでなく、別拠点やクラウドへのバックアップも検討
挙式当日の心構え:
結婚式当日は「何が起きてもおかしくない」という気持ちで臨むことが大切です。トラブルが起きたときに、いかに早く復旧できるか。その準備が、新郎新婦の大切な一日を守ります。
この業界の社内SEに向いている人
- 土日出勤・待機ができる人
- 「一生に一度」のイベントを支える責任感を持てる人
- ブラックボックスのシステムを読み解く根気がある人
- ハード機器のトラブル対応が得意な人
- 大容量データの管理・バックアップに興味がある人

結婚式が無事に終わったときの安堵感は格別です。新郎新婦の笑顔を見ると、「この仕事をやっていてよかった」と思えます💒✨
まとめ
結婚式場の社内SEは、新郎新婦の「一生に一度の日」を支える重要な役割です。挙式当日のハード機器故障は絶対に避けなければならず、土日は常に緊張感を持って過ごすことになります。
前任者が作ったブラックボックスのシステムを引き継ぐ大変さ、土日繁忙・平日閑散という独特の働き方、大量の写真・映像データの管理——この業界ならではの課題がありますが、挙式が無事に終わったときの達成感は格別です。
「一生に一度」のイベントを支える責任は重いですが、その分やりがいも大きい。人の幸せな瞬間に立ち会える、素敵な業界だと思います。
これで10業態すべてのご紹介が終わりました。それぞれの業界で、社内SEの役割や求められるスキルは異なります。この記事が、あなたのキャリアを考えるヒントになれば幸いです。
転職を考えているあなたへ
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結婚式場で培ったハード管理、トラブル対応力、大容量データの管理経験は、他業界でも十分に活かせるスキルです。特にイベント系や接客業のIT部門では、同様のスキルセットが求められています。もし今の環境に限界を感じているなら、他業界への転職を検討してみてください。


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